つくしちゃんと7人の仲間達1
ある日のこと、、、
つくしちゃんは、庭師のお父さんのお手伝いで、花沢邸の庭園の草取りをしておりました、、、
つくしちゃんにとっては、花沢邸は、お城で、、、
《きっと素敵な王様と女王様と王子様がいて、、、
このお城の庭の花や木を、散歩しているんだわ》と、、
一生懸命お世話しなくちゃと、庭の奥に進んでいきました、、、
すると、大きな大きな木の下で王子様が寝っころがっていました、、、
つくしちゃんには分からない、外国語の本を読みながら、寝入ってしまったようです、、、
光に透けて金色に見える髪の毛、長くてカールした睫毛、キメの細かい肌、スラッとした長い足、、、
つくしちゃんが好んで読む童話の王子様に、そっくりで、じっと見とれていると、、、
王子様が、パチッと目を開けて、、
「誰? 何? 用?」
どうも、このお城の王子様は、単語しか話さないお城の王子様らしいと、つくしちゃんは納得して、、、
つくし「用、無い、私、つくし、貴方、お城、王子様?」
同じく単語で話します、、、
《クスッ、面白い奴、、、
艶々の真っ直ぐな黒髪見たいに、性格も真っ直ぐなんだろうな♪》
類「ルイ」
《ルイ?
ルイって、私の絵本の王様がルイだった!?
じゃあ、このルイも王様? ?
こんなに若くて王様!?》
《大きな黒目を更に見開いて、あんたの声、ダダ漏れ》
じっとつくしを見つめる類のビー玉のような瞳に、頬を紅く染めて見とれていたつくしちゃん、、、
はっと気を取り直し、、、
「私、あっち、帰る、御昼寝、邪魔、ごめん!」
パタパタ走り去るつくしのポニーテールが揺れて、結んでいたブルーのリボンが、ほどけて、ひらひら、、、
ひらひら、ひらひら、舞い降りて類の手に、、、
「クスッ、この綺麗なリボンは、俺が預かるよ♪」
その後、、、
つくしちゃんが、再びお手伝いに花沢邸に伺うと、ルイ王様が、先日と同じ木の下で絵本を持って待ち受けていました、、、
「つくし、おいで♪」
《うわあ、ルイ王様がお呼びとは~
私、何か不味いことしちゃった!?》
「クスッ、リボンを結んであげるからおいで♪
それから、僕、王様じゃないよ、、」
つくしちゃんが、恐る恐る近付いて来て、、、
《単語じゃなく、普通に話すんだ!?》
「じゃ、王子様? ルイ王子様なの?」
「う~ん、そうだね、つくしの王子様になるんだったら良いよ、王子様でも♪
う~ん、でも、王子様も良いけど、つくしのナイトになりたい!
何時でもつくしのリボンを結んであげるナイトだよ♪
はい、ここにおいで♪
リボンを結んでから、この絵本を読んであげる♪」
「うわあ、綺麗な絵♪
でも、これ英語?」
「フランス語だよ♪
僕が読むから、真似して♪」
「Il était une fois une petite fille qui était la plus jolie de toutes.
Sa mère en était folle et sa mère-grand l'était encore plus.
Celle-ci lui avait fait un petit chaperon rouge qui allait si bien que
tout le monde l'appelait le petit chaperon rouge.・・・・・」(赤頭巾ちゃん)
ナイト類は、毎日つくしにリボンを結んでから、フランス語の読み聞かせをしました、、、
更に、メイド頭の花枝の誘導で、おやつやランチを類と一緒に楽しむようになり、自然にマナーもつくしの身に付いていきました、、、
そんなある日のこと、、、
王様と女王様が、フランスからお戻りになりました、、、
類王子様のご両親で、仕事の関係上ほとんどをフランスで過ごしていらしたようです、、、
感情に乏しく無口で排他的な類が、牧野つくしというお嬢さんと知り合ったことで、つくしちゃん限定ではありますが、表情豊かに声をあげて笑い、細やかな気遣いも出来るようになったと、メイド頭の花枝の報告があり、、、
類とつくしの二人の様子を見届けに帰国したようです、、、