白いサンタがやってきた1
それはクリスマスイブの昼下がり、、、
「つくし先生~ ごきげんよう♪」
「はい、杏ちゃん、ごきげんよう♪
楽しいクリスマスをね♪」
今日の料理教室は、子供のためのクリスマスクッキー作り、、、
様々な型抜き、アイシング、ピール、アラザン、ザラメ等のトッピングを揃え、、、
クマやパンダ、ツリー、ハート、星、鳥、家、車、男の子、女の子、サンタクロース、キャンドル、ステッキ、、、
キャッキャと型抜きで形を作り、唇を噛みしめて真剣にアイシングで模様を描く子供達、、、
そうかと言えば、型には見向きもせず、粘土細工のように形を作り、会心の笑みを浮かべる子供達、、、
慌ただしい世の喧騒を忘れ、子供達の無心の作業をサポートする、、、
なんて心穏やかで楽しいクリスマスイブ、、、
けれど、事は予期せぬ時にやって来る、、、
「つくし先生、後片付けは私達がしますから、今日は早く上がってください♪
駿君が待ってますよ♪」
「ありがとう、じゃ、お言葉に甘えるわね♪ メリークリスマス♪」
「はい、メリークリスマス♪
駿君も、メリークリスマス♪」
「桃子ちゃん達、メリークリスマス♪」
「キャー、駿君、可愛いい~♪」
「ハイハイ、そこまで!
駿君は、桜子のナイトなんですから、チョッカイ出しても無駄ですからね~♪」
「あっ、桜子ちゃん、迎えに来てくれたの?」
「はい、私のナイトの駿君、ごきげんよう♪
屋上にヘリが待っていますよ♪」
「桜子~、私を忘れてない?
それから、一々『私のナイトの』って、、、」
「あら、先輩、いらしたんですね?
ごきげんよう♪」
「はい、ごきげんよう♪
・・・じゃなくて!
酷くな~い?
駿ばかりで、私なんて視界に入ってないみたい!?」
「駿君は、私の王子様で私のナイトですのよ♪
ねっ! 駿君♪
滋さんの『私の未来の旦那様』より、ずっと遠慮深いと思いますわよ♪
それに、先輩には、私よりも、、、
ほら、いらっしゃいましたよ♪
専属の王子様でナイトで、ご主人様が、、、」
「つくし、チュッ♪
駿、チュッ♪
二人とも、クッキー作り楽しかった?
ほら、行くよ♪」
「相変わらず、先輩しか目に入らないんですね♪」
「あっ、来てたの、三條!?」
「ふっ、ごきげんよう♪
名前を覚えて頂いただけで、良しとしましょう♪」
「俺達の大事な駿を任せるんだから、名前くらい覚えるさ!」
「はい、さいざますか!
では、参りましょうか!?」
ヘリポートに着くと、、、