白いサンタがやってきた3
「うわあ、○ズニィーランドみたいなお城、綺麗~♪」
そこへ、先程のソリが降りて来て、、、
ビックリしたことには、真っ白な人形と思っていたサンタが、ソリから降りてきて、、、
「ホウホウホウ!
ここに素晴らしい良い子がいると聞いて来たんだが、良い子とは君のことかな!?」
「ぼ、僕が良い子かどうか分かりませんが、ここにいる子供って、僕だけです、多分、、、
ぼ、僕、花沢 駿です、、、
サンタさん、空を飛んでいて寒く無かったですか?」
「ホウホウホウ、なんて優しい子なんだ!
内緒じゃが、保温スーツを着ておってな、ソリには暖房がついておるのじゃ、、、
よいか、皆には秘密じゃぞ♪」
目を大きく見開いて、懸命に耳を傾けている駿君、サンタの言葉に一生懸命首を縦に振ります、、、
その可愛らしい仕草に、サンタも微笑んで、、、
「さて、花沢 駿君、、、
質問じゃ、、、
早寝早起き出来ておるかの?
歯磨き、手洗いはきちんとしておるかの?
食事は好き嫌いせず、残さず食べておるかの?
おはようございます、おやすみなさい、ごめんなさい、ありがとうございます、の挨拶はちゃんと出来ておるかの?
」
首振り人形のように、懸命に首を振り続ける駿君に、見守る大人達も満面の笑み、、、
「ホウホウホウ、良い子じゃ、良い子じゃ、、、
では、このプレゼントをあげよう♪」
「えっ!? この袋全部!?」
「うん? なんじゃ?」
「サンタさん、プレゼントありがとうございます!
でも、僕、これでは貰い過ぎです!
マミィが、いつもプレゼントは1つだけって!
あとは、その人の気持ちを貰いなさいって!
だから、サンタさん、1つだけください♪
あとは、サンタさんの気持ちを貰います、、、
それから、お願いが、、、
その袋のプレゼントを、お父さんお母さんの居ない子に配ってくれませんか?
僕には、ダディ、マミィ、グランパ、グランマ、司パパ、あきらパパ、総パパ、滋ちゃん、桜子ちゃん、優希ちゃん、タマさん、花枝ちゃん、、、
それに、天国にいる牧野のお祖父様お祖母様進叔父様、他にも僕を可愛がってくれる人が一杯いるんです、、、
だから、、、」
「ホウホウホウ、君は希に見る優しい素晴らしい子だね♪
きっと、ご両親も素晴らしい人達なんだろうね♪
君の願い通り、喜んで、プレゼントを配ってくるよ♪
じゃが、最後にもう1つだけプレゼントさせておくれ!?
庭に出たら、呪文を唱えてごらん♪
素敵なことが起きるよ♪」
駿君、もう1つのプレゼントに戸惑って、つくしを振り返ります、、、
つくしと類が笑顔で頷くのを見て、、、
「ありがとうございます、サンタさん♪」
「呪文は、『皆、大好き! ありがとう!』じゃぞ♪
大きな声で唱えんと、効き目が無いからの!」
「はい、サンタさん、ありがとうございます!
あと、これ、今日マミィの料理教室でクリスマスクッキーを焼いたんです!
お仕事終わったら食べてください♪」
「ホウホウホウ!
こ、これは、なんと!
愛情一杯の美味しそうなクッキーじゃて♪
ありがとう、ありがとうな♪
今の世の中、捨てたもんでも無いわ♪
さてさて、急いで他を廻らねば♪
花沢 駿君、皆さん、失礼しますよ♪」
真っ白なサンタが、クッキーを大事そうに抱えて真っ白なソリに乗り込むと、真っ白なトナカイが空を翔ていきました、、、
駿君、サンタが見えなくなるまで、手を振っていました、、、
「ナイトの駿君、このままお庭に行きましょう♪」
「はい、桜子ちゃん、僕にエスコートさせてください♪」
「あっ、狡い~~
滋ちゃんもエスコートして~、ねっ、未来の旦那様♪」
「やれやれ、滋達も飽きずに、相変わらずだな!?」
「今時、20歳くらいの歳の差なんて、結構ありだから、あいつら、半分本気なんじゃね!?」
「ねえ、類、さっきのサンタさんの髭、本物見たいだったわね♪
顔の白さも、お化粧じゃなくて、地肌そのものみたいだった、、、
トナカイも、地上に降りてきた時は、生きているみたいだったし、、、
今年の仕掛けは、一段とバージョンアップしていたわね♪」
「うん、司達、去年の分も頑張ったんじゃない?」
「そうね、去年は私の両親と進の3人が事故で亡くなって、喪中だったから、、、」
「駿の誕生日とクリスマスが一緒だから、ただでさえ司達が張り切っちゃうのに、今年は2年分だからね、、、
覚悟していたけど、これ程盛大だとはね!」
イルミに彩られた庭園では、あちらこちらに篝火が灯され、、、
石窯ではピザ、
レンガを積み上げた竃では、肉、魚、野菜の串焼、
鉄板には、ステーキ、ヤキソバ、お好み焼き、、、
チョコレートフォンジュや様々なスイーツ、、、
お寿司に、おでんの屋台、ポップコーンにわたあめまで!
駿と女性達は、大騒ぎ♪
「駿、食べる前に、サンタさんに教えてもらった呪文を唱えなくちゃ♪」
「はい、ダディ♪」
「大きな声じゃないと効かないぞ!」
「はい、司パパ♪」
「「頑張れ、駿♪」」
「はい、あきらパパ、総パパ♪」
駿君、深呼吸して、、、
「みんな、大好き! ありがとう♪」
すると、全ての木にイルミネーションが点灯し、、、
イルミネーションの並木の奥に、お菓子の家が!
「ひゅー、司、頑張ったね!
駿のために、ありがとう♪」
「い、いや、駿のためなら何でもやるさ♪」
「お菓子の家なんて凄いな、司♪」
「いや、俺はお菓子の家は用意していないぞ!
お前じゃないのか?」
「いや、俺も総二郎も、注文していないぞ、、、」
「それに、木のイルミネーションは、この一番大きな木だけだった筈なのに、この並木全部も、、、とは?、、、」
「司様、サンタの件でお電話が、、、」
「もしもし、道明寺司です。
なんですって!
今日、代役が来るって???
いや、もう代役の方は仕事を終えて帰りました、、
しかも、代役が良かったので、来シーズンも今回の人でお願いしたいと、、、」
「えっ!?
これから、代役が来るって!?
しかし、、、
えっ!?
ソリのトナカイが故障して使えない!?」
「おい、司、どうなってる?」