愛は惜しみ無く奪い与える61
慎一郎「家元、家元夫人、お邪魔いたします、、、
いえ、おやじ、おふくろ、ただいま♪
今日は、親と子としてお願いに来ました、、、」
家元「・・・・・」
家元夫人「その時がきたのですね、、」
慎一郎「そういうことです、、、
しかも、事は急を要するのです!」
総二郎「家元、家元夫人、いえ、お父さん、お母さん、お願いですから、私が探している絵を見せてください!
お願いします!」
家元夫人「分かりましたわ、、、
でも、その前に約束して頂戴、、、
必ず帰ってくると!
危険な事には近付かないと!」
家元「『この絵の秘密を解く者、危険を省みず未知なる旅に出るであろう』
私達は、お前の一本気でいざという時は死も辞さない男気を、心配しているんだ、、、
決してお前の能力を疑ったり、お前を蔑ろにしている訳ではない、、、
ただ、私達の手の届かない所で、お前が危険な目に遭うのではと、居ても立ってもいられない思いなんだよ、、、」
家元夫人「総二郎、貴方は慎一郎の補欠だと思っているようですけど、貴方が次期家元であることは、貴方がお茶を始めた時に決まっていたのよ♪
それほど、貴方の才能は素晴らしいのよ、、、
私達は、幼子の貴方にプレッシャーを掛けないために、慎一郎の申し出もあり、しばらくの間、慎一郎が次期家元の振りをしていたのよ、、、
ただ、貴方の才能が素晴らし過ぎて、慎一郎が次期家元をおりる時期が、予定より早くなったの、、、
そのせいなのか、貴方はプレッシャーを女性との付き合いで誤魔化そうとしているわね、、、
生涯をともにしたい女性が現れた時に、後悔しなければ良いのだけど、、、」
総二郎「それって、私は、好きな女と添い遂げられるってことですか!?」
家元「ああ、私達は、1度も縁談を強要したことがないだろう?
以前から、お前に縁談話は降るほどあったが、全部私達が断っていたんだ、、、
お前の才能は、政略結婚など必要がないほど素晴らしいんだぞ!
もっと精進して、堂々と好きな女性を連れてこい!」
総二郎「俺、勝手に思い込みしていたんだな!
自分で自分を殴りたい気分です、、、
俺、マジ好きな子がいるんです!
その子が俺のものになることは、決して無いけれど、、、
俺の生涯を賭けて、その子とその子が好きな奴を守っていきたいんだ!
今回のお願いも、その二人を守るためなんです!
お願いします!
どうか、絵を見せてください!」
司「お前の好きな子って、、、」
総二郎「ああ、牧野、牧野つくしだよ、、、」
司「マジか!?」
総二郎「ああ、お前も薄々気が付いていたんじゃないか?
けど、類を意識し過ぎていたから、俺達には被害が無かったがな、、、」
司「テメ! ん? 俺達って?」
総二郎「あきらもだよ!
F4揃って、牧野に岡惚れ♪
最強な女だぜ、牧野つくし、、、
でも、牧野は 類一筋だ!
だから、俺達は牧野つくしの笑顔を守るために、生涯を費やすんだよ!
まあ、類がヘマしたら、俺は黙っちゃいないがな♪」
家元夫人「やっぱり、牧野さんだったのね♪
貴方達の女性を見る目は、誉めてあげるわ♪
つくしちゃんが、西門に来てくだされば、万々歳なのだけど、あの類君が、つくしちゃんを手離す筈が無いわよね、、、」
家元「君達の気持ちは重々分かったから、そろそろ移動しないかね?
確か、急いでいるのでは?」
家元夫人「流石、要所要所を押さえている家元、素敵ですわ♪
では、参りましょうか?」
顔を赤らめて、業とらしく咳などしながら、立ち上がる家元、、、
総二郎「って、全員で見に行くんですか?」
家元夫人「当たり前です!
総二郎、貴方の一大事なのに、のほほんとしていられますか!」
司「俺んちと違って、お前んとこは、ちゃんと愛に溢れているんだな、、、
羨ましいぜ、総二郎!
ほら、ボヤボヤしてないで、行くぞ!」