慟哭11
「司! 司! しっかりしろ!」
《誰だ? ほっといてくれよ、、、
俺が、どうなっても誰も気にしやしない、、、
疲れたんだ、、、眠らせてくれよ、、、》
「もうすぐ病院に着くぞ!
眠るんじゃないぞ!
お前は、こんなに簡単にくたばる奴じゃない!
司! 司!
チキショー! SPは 付いて無かったのか!?
なんで2度も刺されるんだよ!
司!」
司「あきら、うるさい、、、静かにしろ、、、」
あきら「ほっ、気を保て!
俺が付いてるからな!」
ストレッチャーが手術室に消えていきます、、、
あきらは、病院の外に出て電話を取り出し、、、
ルルルルルル、、、
あきら「椿姉ちゃん?
司が刺された! 今 手術中、、、
これから、総二郎達に連絡する、、、」
ルルルルルル、、、
あきら「総二郎、俺だ、NYに来ている、、、
司が刺された、、、
お前もこっちに来れるか?
犯人は、以前司がボロクズのように捨てた女の弟だった、、、
俺達が探し当てた時には、路地裏で虫の息だった、、、」
椿「先生! 弟は、司は?」
ドクター「背中から何ヵ所か刺されていて、脾臓摘出、肝臓を部分切除致しました。
大動脈に損傷が無かったのが、幸いでした。
ただ、発見まで時間があった為に出血が多く、他臓器への影響が心配されます。
輸血は致しましたが、油断を許さない状態です。」
椿「あきら君! あきら君が見つけてくれたのね!?
ありがとう!
お陰で死なずに済み、、そう、、、」
あきら「椿姉ちゃん、しっかりして!
ここに座って落ち着いて、、、」
椿「何故、司はあんなところに、、、
いえ、言わないで!
分かってるのよ、、、
どうせ女を引っ掛けに行ってたんでしょ!?
その女性の関係で?」
あきら「いや、以前捨てた女性が自殺騒ぎを起こして、その弟が、、、
司が狙われていると情報が入ったので、俺もこっちに来て司を探していたんだが、一足も二足も遅かった!」
椿「ううん、あきら君が探してくれていたから、手遅れにならずに済んだのよ、、、
命の恩人だわ、本当にありがとう!
あんな司を見放さずに、心配してくれてありがとう、ありがとうございます!」
あきら「止めてくれよ、姉ちゃん!
司は、ダチだ、昔も今も、、、」