loveofruiのブログ

リダの類が好きで好きで好き過ぎで、とうとう妄想世界の住民になりました。定期的な更新は仕事柄できませんが、お目汚しとスルーして頂けば、幸いです。
R付きの話を全て下げました。話が続かないところは、ごめんなさい。

この子猫の子子猫のつくし1

花嫁は誰?17がRになってしまって、アップ出来ない~~


もう1つのブログ

http://blogs.yahoo.co.jp/rosemallie

にアップするかも、、、


で、今日はちょっと短編「この子猫の子子猫のつくし」を、、、


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「・・・つまんない・・・」


思い切って言葉に出してみた、、、



言葉に出したら、何かが変わるかと、淡い期待を抱いて、言ってみた、、、


「・・・つまんない・・・」


もう1回言ってみたけど、周りを見回しても何も変わらなかった、、、


いつものように木陰をわたる涼やかな風が、頬を撫でていくけど、、、


お昼寝にも飽きて、ちょっとゴロゴロ転がってみたけど、、、


「・・・つまんない・・・」


木洩れ日が眩しくて、片腕を顔の上に持ってきて閉じた両目を覆う、、、


「・・・つまん・・・」



「にゃあ!」と、柔らかくて温かな生き物が、いきなり胸の上にストンと乗ってきた、、、



腕をそっとずらして、目を開けると、、、


真っ黒な艶々の毛並みの耳をピンと立てた子猫が、僕の胸の上に臥せて、僕を見つめていた、、、


キトンブルーじゃない黒曜石みたいな黒い大きな眼で、僕を見つめていたんだ、、、


「やあ、こんにちは♪


君、可愛いね♪」



「にゃあ!」と自慢気に鼻を膨らませて子猫が鳴いた、、、



「どっから来たの?」



長いしなやかな尻尾を振って、ピンと立てた、、、



「え~? 空からじゃないよね?


何処の子かな?


何て言う名前かな?」



子猫は、起き上がると、僕の顎に頭をスリスリして、喉をルルルゥと鳴らした、、、



「ルルって名前かな?」


子猫は、プイッと顔を背けて、苛立たしげに長い尻尾をパタンパタンと、僕の胸に打ち付けた、、、


「ルルじゃないなら、ルゥ!」


子猫は、「にゃあ」と1回鳴いて、それでもプイッと顔を背けた、、、



「う~ん、ルゥじゃちょっと違うのかあ~」


子猫が、僕の顎にゴツンゴツンと2回頭突きして「にゃあにゃあ」と2回鳴いて、長い尻尾で僕の鼻をピタピタと2回叩いた、、、


「2回繰り返すのか!?


じゃあ、君はルゥルゥ!?」


子猫は、「にゃあ!」と鳴くと良く出来ましたと誉めているのか、ザラザラした舌で僕の頬を舐めてきた、、、


「キャハハ、くすぐったいよ、ルゥルゥ♪


ちょっ、痛い! 痛いってば!


あっ! ルゥルゥ! 何処に行くの?


待って、待ってってば!」



僕の胸から飛び降りて、まるで付いておいでと言っているように、僕を振り返り振り返り、尻尾をピンと立てて歩いて行く子猫のルゥルゥ、、、



風に揺れるスノーフレークに、前足でちょっかいを出したり、早咲きの桜の木の下で、風に吹き散らされる花びらをジャンプで追っかけたり、気儘に一人で遊びながら、それでも、僕がちゃんと付いて来ているか、振り返って確認するルゥルゥ、、、



そんな自由気儘なルゥルゥの後を付いて歩いているだけで、自分の強張った気持ちがいつの間にか、ほわんほわんと解き解れていたんだ、、、



ルゥルゥは庭の外れに来ると、振り向いてお辞儀のように頭を下げて、「にゃっ」と鳴くと、身軽に木に登り枝を伝って、塀を越えて姿を消してしまった、、、



「ルゥルゥ、バイバイ♪


また、おいでね♪」


もうルゥルゥに聞こえる筈が無いのに、また遊びに来て欲しくて、僕は願掛けのように声にした、、、