運命の女8
「ところで、類はどうしてるんだ?
俺が、NYで司の様子を調べている間に、何が起こったんだ?」
「類は、あれから、すぐフランスに留学したよ!
類の爺さんは、元々、二重国籍で、ヨーロッパのA国の首相だったろう?
類の両親が事故で亡くなった時、A国は政変の最中で、類を呼び寄せることも、爺さんが日本に帰国することも出来なくて、、、
政変を治め、任期を全うして爺さんが帰国した時には、類は、無口無関心無愛想の3無い男になってしまっていた、、、
その事を、類の爺さんは、ずっと後悔してたんだ、、、
だから、類が留学を希望した時に、初めて自分から行動しようとした類に、感激した爺さんの行動は、電光石火だったよ!
類の奴、あっという間に飛び立って行っちまった、、、」
「じゃあ、牧野を見捨てたのかよっ、類の奴!
牧野は、今、どうしてるんだっ!?
総二朗、お前、牧野をちゃんと見守っているのか!?
おいっ、どうなんだよ!?」
「まあ、そう興奮するなって!
今の類が、牧野を手離す訳が無いだろ!?
牧野を言いくるめて、一緒に連れて行っちまいやがったよ、、、」
「・・・チクショウ! やられたな! 」
「ああ、見事になっ!、、、」
「俺をNYに行かせて、司の様子を調べさせておいて、その隙に、類の奴!」
「俺が、京都で茶会の準備に追われている間にだ!」
「・・・ふっ、類が本気を見せたら敵わねぇな!?」
「・・・ああ、全くだ、」
「牧野も、昔から類には甘かったからなぁ、、、」
「元々、類は、牧野の初恋の相手だったしなぁ、、、」
「類の前でだけ、牧野も女の子らしかったなぁ、、、」
「ふっ、話せば話す程、類と牧野がお似合いだと言っているようなものだな!」
「まっ、相手が類なら認めるしかないな!」
「・・・だなっ♪・・・」
「牧野が幸せなら、幸せに笑っていてくれるなら、俺達も幸せさっ♪」
「ああ、これじゃ、まるで以前の類の立ち位置だな♪」
「だが、それも悪くない♪」
「類がヘタを打ったら、俺達の出番だしィ♪、、、」
「・・・だなっ♪・・・」