運命の女21
司が、先ず手掛けたのは、母親から独立することだった、、、
周到に準備し、一見ただの子会社を設立、、、
実は司自身が最も信用できる部下達を集めた会社だった、、、
道明寺を継ぐのは、俺ではなくても他にいくらでもいる、、、
相応しい奴が現れるまでは、道明寺コーポレーションを守っていくが、その後は独立して、俺は俺のやり方でやる!
いつでも道明寺コーポレーションから切り離せるように、用心深く会社を育て上げた、、、
後を任せるに相応しい人間も見つけ、仕事を仕込んだ、、、
そして、、、
母親に対峙する、、、
「先ず、あんたに聞きたいことがある、、、
何故、俺と別れた後も、牧野を狙う?
あんたが、牧野にしたことは、犯罪だ!
殺人罪なんだぞ!」
「何を今更、、、
あの溝鼠、何故か最初から気にくわなかった、、
目障りな邪魔者は潰す、消す、、、
それがどうかして!?」
「分かったよ、、、
それが答なんだな!
では、今後、牧野や牧野に関係したものに害を為すつもりなら、これが世に出るだろう、、、
あんたの罪状の全てを記したものだ、、、
俺に何かあった場合も、同じことになる、、、」
「司! 私が貴方に何をすると言うの!?
私は、貴方のために道明寺を守って、、、」
「黙れ!クソババア!!
俺のためだと!?
本当に俺のためを思ったら、こんなこと出来るもんか!!
全部、自分のため、自分のエゴ、自分の見栄のためだろ!
道明寺の会長に収まった自分、
道明寺の社長に収まった見映えのいい息子、
ついでに、経済的背景のあるお飾りの見映えのいい嫁、
あんたは、そんなものが、後生大事なんだ!
自分がよけりゃ、息子の幸せなんか、どうでもいいんだ!
俺は、そんなの人生、まっぴらごめんだ!
あんたのように愛のない人生を送る気はねえ!
あんたは愛を知らねえから、平気なんだ!
俺は、俺は、1度愛を知ってしまった!
それも至上の愛を!
1度知ってしまったら、もう愛のない人生は送れねえんだよ!」
「愛ですって!
あの溝鼠をまだ愛してるの!
さっさと消してしまえば良かった、、、」
「気を付けろ!
牧野は今や、世界のV.I.P.よりも厳重に守られている、、、
そして、牧野を守るために力を尽くす奴の中には、容赦のない奴もいる、、
そいつらからの伝言だ、《次はない》、、」