運命の女22
「ふっ、何故、皆、あの溝鼠に誑かされるの!?
あの貧弱な体では、男を満足させるのも無理でしょうし、、
あんな女のどこがいいのか、、、」
「気を付けろと、俺、今言ったよな!?
牧野を貶めるなら、俺も黙ってねえぞ!
まあ、あんたには、牧野の素晴らしさは、到底理解できないだろうよ!
あんたは、どんなに逆立ちしたって、牧野に敵わない、、
あんたは、本能的に牧野を怖れて、排除しようとしてるんだろうが、、、
奴らからも其なりの報復が来るぞ!
牧野をまだ狙うなら、逆にあんた自身が狙われるぞ、、、」
「はっ、あの馬鹿がつくほど慈悲深い溝鼠が、そんなことを許すものですか!」
「ああ、牧野が知れば許さないだろう、、、
が、牧野に知られずにやってのける奴が、牧野の周りにはうじゃうじゃいるんだよ♪
論より証拠、自分を見てみろ!」
楓が自分の体を見下ろすと、レーザー照準がいくつも当たっていた!
「!!
んな、馬鹿な!
ここは、道明寺の会長の執務室よ!
そこいらの輩にこんな事出来る訳がない!
司! 貴方が仕掛けたの!?」
「俺にはそんな悠長な遊びをする暇なんかない!
奴らが遊びで済ませてくれているうちに、自重しろ!」
「司! 何処にいくの!?」
「あんたの顔を見なくていいところなら何処へでも、、、」
「司! 私は貴方を愛してるのよ!」
「フッ、そうかも知れない、、、
あんたなりに愛してるつもりなのかも知れない、、、
そう 、確かに昔は少しは愛があったんだろう、、
俺も、俺なりにあんたを愛してた、、
だがな、愛は育ててやらなければ、枯れてしまうんだ、、
相手を心から大事にしなければ、枯れてしまうんだよ、、、
なのに、あんたは越えてはいけない一線を越えてしまった、、
俺が心底欲しい者を奪った、、
俺が人生をかけて大切に守りたい者を襲った、、
自分で愛を切り捨てたんだ、、
俺に言えることは、これだけだ、、
精々独りぼっちの人生を元気に過ごしてくれ、、」
茫然と言葉もない楓を振り返ることもなく、辞表を置いて部屋を出る司、、、
部屋の外に佇む一人の男、、
任せたぞ、任せてくださいと、互いに目礼して、去る男と見送る男、、
司がスッキリした顔で道明寺コーポレーションのビルを出てくると、そこには、、
「「よっ♪」」
拳と拳を付き合わせ、阿吽の呼吸で歩き出す、、、
その周りを守るSP達、、、
「お前ら、俺にSPを付ける余裕がなくなったからって、勝手に俺にSP付けんなよ♪」
「俺らじゃねえ、類の奴だよ♪」
「それもお前のためじゃねえから、遠慮すんな♪」
「牧野がお前のことを心配しているから、牧野のためにやっているんだぜ♪」
「ククッ、類の奴、相変わらず牧野最優先なんだな、、」
「ああ、相変わらずのバカップルだよ♪」
「今、五人目のガキを製造中だそうだ、、、」
「フッ、サッカーチームでも作るつもりか!?
そんときゃ、俺様が監督やってやる♪」
「アハハ、そりゃいいな♪
俺はトレーナーでもやるか!?
あきらは、マネージャーだな♪、
んじゃ、チーム結成の前祝いといきますか♪」