運命の女26 番外編(司2)
俺は、懸命に働いた、、、
飛ぶ鳥お茶を濁さずってとこさ、、、
(いや、発つ鳥、跡を、でしょ!)
Tカンパニーという子会社を立ち上げ、信頼の置ける部下を徐々に集めていった、、、
業務は、介護関連用品で、介護ベッド、トイレ、車椅子、障がい者用車両、障がい者用自転車、義手、義足、杖等、、、
バリアフリーのリフォームも手掛けた、、、
外部からの雇用は、働きたくても働く場のない障がい者を主に雇用した、、、
俺が過去に暴力をふるい、体や心に障がいを負わせてしまった人達に、心から謝罪し、一緒に働いて頂けないか請うて歩いた、、、
俺の睡眠時間を削って、仕事を就し、時間を作っては、謝罪に当てたんだ、、、
大変だったろうって!?
俺の故で、心や体に傷を負った人々のことを思ったら、何でもない事さ、、、
寧ろ、もっと早く行動すべきだったよ!
何度訪ねても、顔も見たくないと突っぱねられた時は、陰ながら自立の援助をしていった、、、
そうやって贖罪と救済と自立を兼ねて、仕事を展開していくうちに、経済的に余裕のある障がい者は、俺の意を汲み、挙って寄付を届けてくれた、、、
お陰で、経済的に余裕のない人々に低価格で品を提供できるようになり、社員にも手厚く給与を出せるようになり、会社の評判も上がった、、、
そうなると、目敏い富裕層の奴らも、自分達の名声のためにではあるが、次々に寄付をよこすようになり、Tカンパニーは順風満帆、、、
「司さん、記憶を取り戻してからどうなるかと思ったけれど、良くやっているわね!」
ふん!
偽物の記憶を植え付けた手前に、俺が暴力を振るうんじゃないかと、戦々恐々だったくせに、、、
「美作や西門の坊やが、要らぬお節介をと、一時期思ったけれど、、、
その後の司さんの活躍は、目を見張るものがあって、あの二人には感謝しなくてはね♪
それから、そろそろ跡継ぎのことを考えないと、、、
この中から選んでくれれば、スケジュールを調整して、、、」
どんと山のような釣書が机の上に置かれた、、、
「・・・いや、その気はない、、、」
「まさか、司さん、貴方、また同じ轍を踏むつもり!?
あの秘書はダメよ!
全く、最初は溝鼠、溝鼠を排除したら、女狂いになって、記憶を取り戻したら、次は、二股掛けている淫乱秘書とは!
あの女狐は、Tカンパニーの社長とも寝てるのよ!
貴方の女を見る目って、、、」
そんな事は、鼻から承知だよ!
(いや、端からでしょう!)
Tカンパニーの会議をホテルの部屋で秘密裏に行う時に、カモフラージュを兼ねて、一緒に部屋に籠る振りをさせているんだよ!
実際は、会議が終われば、Tカンパニーの社長と秘書は、続き部屋のドアを抜けて、ルームサービスやメイドに化けて他の部屋に行き、一晩中愛を交わしているのさ、、、
あの二人、このスパイ擬きの行動が痛く気に入って、《スパイの愛のスパイス》とか名付けて楽しんでやんの♪
まあ、Tカンパニーが順調で、二人の仲も順調なら、牧野の好きな《一席二挺》《お得》ってことで、、、
(いやいや、一石二鳥ですってば!)
道明寺カンパニーの方も、優秀な奴が見つかり、、、
えっ!? 誰かって!?
俺の腹違いの兄弟の亜門だよ♪
亜門には、ババアの目を盗むための影武者になってもらいながら、衛生教育で道明寺の仕事を詰め込んだ、、、
(いや、毎度の間違い、英才教育ね!)
亜門の奴、流石、俺の血を引くだけあって(貴方のじゃなく、御父様の血でしょう!?)、経営者としての筋が良く、跡を任せる事ができる、、、
やっと、訣別の日が来た、、、
辞表をババアに叩きつけた俺は、F2と飲み明かし、翌日、Tカンパニー、正式名《TSUKOSHI》の会長として道明寺からの独立を発表した、、、
この社名故に、有名某デパート《○越》から、取引の引き合いが来たのは、オマケの話、、、
TSUKUSHI、お前は、人間ホイホイどころか、デパートをホイホイしてんぞ!
、、って教えたら、俺の大好きな笑顔で大笑いすんだろな♪
つくし、俺の唯一の願いは、お前がいつも幸せに笑っていてくれることだ、、、
俺の心は、いつも大空に描いてる、、、
《TSUKOSHI LOVE》、、、