ヴァレンタインに3
ケビンside・・・・
私は、ある女性を愛してる♪
まだ、少女のように初々しく、ひまわりのように真っ直ぐで、太陽のような笑顔を持つ一方、儚げで守ってあげたくなる女性、、、
腰まで届く艶めく黒髪、陶磁器のような白い肌、黒曜石のような大きな瞳、長い睫毛、ぷっくりした紅い唇、華奢な体、引き締まった脚、、、
何より「ありがとう」「ごめんなさい」の魔法の言葉を持つ、素晴らしい女性、、、
私の孫娘が大好きになって、アメリカに帰国時は離れたくないと大騒ぎした孫娘の恩人の牧野つくしちゃん、、、
息子夫婦も、いっそアメリカに拉致してしまおう(←オイ)と思ってしまった、誰もが愛さずにはいられない牧野つくしちゃん、、、
私達が出会ったのは、つくしちゃんが、大学一年の夏、、、
私達が、治安の良い日本で休暇を楽しもうと別荘地へやってきた時のこと、、、
はしゃぎ過ぎていた孫娘が、SPの目をかい潜り道路に飛び出してしまい、あわや車に轢かれそうになった、、、
その時、つくしちゃんがダッシュで孫娘を抱き上げて道路脇に転がって、助けてくれた、、、
ジュースを買いに行っていたつくしちゃんの連れの青年は、戻ってくるなり、つくしちゃんを震えながら抱き締めて無事を確かめていたよ♪
私は、極秘の来日だったので、その青年、類君とは会わずに車内で待機していたが、、、
ハーフのようなハンサムな青年が、心からつくしちゃんを愛しているのは、一目瞭然だった、、、
そのつくしちゃんは、孫娘のアイリーンが、恐怖で震えているのを見て、一緒に歌いながら花冠を作って、アイリーンにプレゼントしてくれた、、、
アイリーンが、つくしちゃんから離れたくなくて、類と名乗った青年にアイリーンがお願いして、息子夫婦と一緒に夕食をとってもらった、、、
その時つくしちゃんが、オリガミの鶴や、騙し舟を折ってくれたが、それらは今でもアイリーンの宝物だ、、、
アメリカに帰国しても、つくしちゃんのことは、ずっと見守ってきた、、、
そして、道明寺司とつくしちゃんと類君の関係、司君の母親楓の妨害、つくしちゃんの友人までも巻き込んだ楓の浅ましいやり方等を知った、、、
調べれば調べる程、つくしちゃんには、別荘地で顔を合わせはしなかったが、類君の方が相応しいと思った、、、
だから、類君が大学2年の秋、つくしちゃんの側に居ることが辛くなり、逃げるように類君がフランスに渡った時は、次の段階に進む為の必要不可欠なステップだと捉えて、静観していた、、、
離れる事で、自分達が本当に必要とする相手は誰なのか、本当に愛しているのは誰なのか、はっきり身に染みるだろうから、、、
けれど、次第につくしちゃんの笑顔が失われてきては、黙っていられなくなりました、、、
しかも、類君も、仕事と学業にのめり込み、人間らしさを失っていた、、、
つくしちゃんは、司君への義理立てと応援してくれている友達への申し訳無さで、身動きがとれずにいた、、、
類君も、幼い頃からの親友を裏切れずに苦しんでいた、、、
こんな時こそ、私の出番だと思い立ったのは、つくしちゃんが、ヴァレンタインのチョコを類君に送らないと知った、つくしちゃんが大学3年の時、、、
ケビン「アイリーン、お願いがあるんだけど、良いかな?」
アイリーン「大好きなお祖父様、アイリーンに出来ること?」
ケビン「つくしちゃんを覚えているかい?」
アイリーン「もちろんです!
大好きなつくしお姉さま♪
またお会いしたいです」
ケビン「じゃ、一緒に会いに行こうか?」
アイリーン「はい! つくしお姉さまのお好きなスイーツをお土産に用意します♪」
再び、極秘に日本に飛び、先ず西門邸を尋ねた、、、
家元「ようこそいらっしゃいました♪
初めてお目に掛かります。」
家元夫人「何のお構いも出来ませんが、ごゆるりとおくつろぎあそばして、、、」
ケビン「急にお邪魔して申し訳ない。
これは、私の孫娘のアイリーン、、、
ある日本の女性と出会ってから、ますます日本に傾倒するようになって、今回も同行しています。
私達は、以前から日本の茶道に興味があってね、、、
昨日秘書から連絡しましたが、噂の次期家元の総二郎君のお茶を一服頂きたくなりましてね♪」
要「では、茶室にご案内いたしましょう♪」
実物の総二郎君は、写真よりハンサムで所作の美しさに惚れ惚れ見とれてしまった、、、
ケビン《これ程の男なら、女性が群がるのも頷ける。
以前と違って、今は、女性と浮き名を流すこともないようだが、、、》
総二郎君の点てたお茶は、味わい深く、
ケビン「総二郎君、結構なお点前でした。
君が人間国宝になるのも、そう遠くないだろうね♪
君のお点前は、既に芸術品だ♪
是非とも、後援会に参加させてほしい、良いかな?」
家元「有難いお言葉、感謝申し上げます。」
総二郎「ありがとうございます♪」
ケビン「そうそう、この後に美作あきら君も此方に呼んでしまいましたが、構わないかね?」
家元「あきら君は、総二郎の幼友達で、現在も親友として互いの邸を往き来する交流がございます。
では、あきら君が到着次第此方に案内させましょう。」
ケビン「ありがとう。」
家元「おや? あきら君が到着したようです。
では、私はこれで失礼致します。」