ヴァレンタインに5
つくし「嫌よ!
類を苦しませるなんて!
愛しているのに!」
総二郎「やっと、言えたな♪」
あきら「やれやれ、やっとだ♪」
いつの間にかメリーゴーランドは回転を止めていて、何故か、あきらと総二郎が立っていた、、、
つくし「な、なんで?」
あきら「メリーゴーランドに乗っているのが、牧野達だけで、しかも、何時までも回転し続けているのを、おかしいとは思わなかったか?」
つくし「これって、美作さんと西門さんが?」
あきら「さあね、、、
ジェットコースターに何回も乗った後、このメリーゴーランドに乗って、どう感じた?」
総二郎「ジェットコースターに何時までも乗っていられないと思わなかったか?
メリーゴーランドに乗って、ほっとしなかったか?
その時、誰かが心に浮かばなかったか?
それが、お前の悩みの答えだ!
ほら、これを読んでみろ♪」
手渡された手紙を開くと、、、
『牧野、俺はお前を裏切った。
俺と別れてくれ。
類と幸せになってくれ。司』
あきら「これで、罪悪感を持たずに、類のところに行けるだろ!?」
つくしの目から、ポロポロと涙が、、、
つくし《ごめんなさい、道明寺。
待てなかった私を許してね、、、
道明寺のことは、本当に好きだった、、、
でも、気が付いてしまったの、、、
類への愛は、ずっと私の心の奥にあったんだって!
きっと道明寺には、分かっていたのね、、、
だからこそ、あれほど嫉妬していたのね、、、
道明寺が、裏切ったって言うけど、私の方が裏切っていたんだわ、、、
それなのに、道明寺は、最後まで優しいんだね、、、
手紙をありがとう、、、
そして、ごめんね、、、
どうか道明寺も幸せになってね♪》
総二郎が、あきらに肩を抱かれたつくしの涙を優しく拭っているのを見て、、、
アイリーン《このお二人も、つくしお姉さまを愛してらっしゃる、、、
類様、ぐずぐずしていられませんわよ!》
アイリーン「つくしお姉さま、お祖父様が、待っているから、ホテルに帰りましょ!?
お二人もご一緒にね、、、」
ホテルにて、、、
ケビン「お帰り、アイリーン、つくしちゃん、、、
あきら君に総二郎君、二人のこと、ありがとう♪」
つくし「あの、ケビンおじ様、美作さん達二人とお知り合いだったんですか?」
ケビン「つくしちゃんを幸せにするプロジェクトの仲間だよ♪」
つくし「ええっ!?」
総二郎「良いから良いから、俺らに黙って従えば良いってことよ!?」
あきら「疲れただろうから、エステでリフレッシュしてこい、、、
ほら、お迎えが来たぞ♪」
桜子「先輩~、あまり眠れていませんね!?
やつれて見えますわ!
悔しいことに、愁いを帯びて見えるので、男性の保護欲をかき立てていますわ♪
さっ! 一緒に付いてきてくださいな♪」
つくし「さ、桜子!
一体どうなっているの?」
桜子「疑問は、エステを受けながら、お答えしますから、ほら、急いで急いで♪」
桜子の目論み通り、眠れぬ夜を過ごしていたつくしは、エステを受けながら、深い眠りについていた、、、
桜子「じゃ、ジェットでひとっ飛びいたしましょう♪
ちょっと、西門さん!
先輩の素肌にエロ光線出さないでくださいな!
全く、なんのお手入れもしていないのに、どうしてこんなにきめ細かい綺麗な吸い付くような肌なんでしょう!
男性の垂涎の的ですわ♪」
アイリーン「つくしお姉さまのお友達って、美人ばかり?」
桜子「お褒めに預り、嬉しいですわ♪
でも、どんなにお手入れを懸命にしても、先輩の内側からの耀きには敵いませんわ♪」
アイリーン「つくしお姉さまは、天使ですもの、特別な女性なの!
でも、桜子も綺麗♪ 内側も外側もね♪」
桜子「・・・ありがとう」
アイリーン「何故泣いていらしゃるの?」
桜子「私は、とんでもなく腹黒だったのに、先輩に酷い事をしたのに、、、
外見は全身整形なのに、、、
『綺麗だよ、桜子、貴女の内側も外側もね♪ 』って、先輩が、言ってくださったんです!
先輩と同じ事をアイリーンから言われて、思い出してしまったの、、、
私が、先輩に救われ、生かされた瞬間を、、、」
一堂、つくしによって、自分が生まれ変わった瞬間を思い出した、、、
あきら《あの公園で、牧野に月に例えられた時に、俺は救われ、牧野への愛を自覚したっけ、、、》
総二郎《俺の点てた茶を飲んで 『何故お茶が泣いているの?』『本当は、真面目で真摯なのに、何故カサノバ気取りで自分を貶めているの?』って、牧野が泣いたっけ、、、
〈なんでお前が泣くんだ〉って言ったら、『西門さんが泣けないでいるから、代わりに泣いてる』って、牧野が泣き笑いしたな、、、
俺は、あのとんでもないブスな泣き顔に堕ちて、不毛な女関係に終止符を打ったんだった、、、》
ケビン《初めは、ただ孫娘アイリーンを助けてくれた、日本人形のようなお嬢さんと思っただけだった、、、
あの時は、極秘来日だったので、直接顔を合わせなかったが、その後のアイリーンへの気遣い、息子夫婦との会食での様子を密かに監視していたところ(←オイ)、つくしの素晴らしさにすぐ気付かされた、、、
その後も、彼女を調査し(←オイ)、彼女を知れば知る程、彼女の魅力に気付かされた、、、
仕事のトラブルで悩んでいた時に、どうしても、直接つくしの笑顔に会いたくなって、アイリーンと再び極秘来日した時の事、、、
『〈ありがとう〉と〈ごめんなさい〉は、魔法の言葉だから、相手と話すときに忘れずに言ってみたら、状況が変わるかも』ってつくしに教えられた、、、
あれから、経営方針も変えて、益々会社は順調だ、、、
つくしは、ケビン一家と会社の従業員全員の恩人だよ♪》