慟哭31
司「牧野! 牧野だっ!!!」
あきら「動くなっ!
牧野じゃない!
ここで待つんだ!!」
駆け寄ろうとする司を、あきらが止めます、、、
紅「あきらおじ様~♪」
紫苑「あっ! 司だっ!」
桔梗「ダメでしょ!
呼び捨ては!」
と、目を吊り上げて弟を怒ったと思ったら、つくしそっくりの笑顔で振り返ってニッコリ、、、
桔梗「司おじ様、椿おば様、初めまして、花沢桔梗と申します♪
妹の紅、弟の紫苑、藍、です♪
ようこそいらっしゃいませ♪」
藍「ねえ、何で二人とも泣いてるの?」
あきら「お前達に会えて、嬉しくて泣いているんだよ♪」
紅「私、知ってる~♪
大人は、嬉しくても泣くんだよね~♪
パパのお誕生日に、ママがパパに世界一愛してるって言った時、パパ、泣いてたもん~♪」
紫苑「総二郎が、イテッ、桔梗、蹴るなよ~
総二郎おじ様が、その時、万年新婚夫婦って言ってたけど、万年新婚って何の事?」
あきら「いつまでもイチャイチャ、ところ構わずキスしているカップルの事だよ♪」
藍「うん、パパはいつもママとキスしているよ!
でも、パパは、パパとママは磁石なんだって言ってたよ!?
起きてても寝ててもママにくっついているのは、磁石だから離れられないんだって!
だから、ママからパパを引き剥がすのは誰も出来ないんだよ、、、」
あきら「全く相変わらずの独占欲だな♪
いいか、お前達、寂しくなったら、何時でも俺か総二郎に連絡しろよ♪
駆け付けて、添い寝もしてやるからな♪」
桔梗「寝る時は、パパのヴァイオリンとママの子守唄で寝ているから、大丈夫♪」
あきら「ああ、そうだったな!
類のヴァイオリンと幸運の女神の子守唄、、、
俺の子供も、あのCDかけると、どんなに泣いていても、泣き止んですやすや寝るんだよな♪」
つくしにそっくりの桔梗、
類の髪の毛を持ち、つくしの瞳を兼ね備えた紅、
類そっくりな紫苑と藍、、、
見とれるばかりで微動だにしなかった司が、、、
司「お前達の母親は?」
紫苑「凄いや、あきら、おじ様!
司おじ様が僕達を見た時に話す、最初の言葉を本当に当てた!」
紅「どうして分かったの?
あきらおじ様も、エスパー?」
あきら「俺も、、って他に誰がエスパーなのかな?」
桔梗「パパに決まってるわ♪
パパは、ママが何も言わなくても、ぜ~んぶ分かっちゃうの!
でも、ママの事だけなの、、、
パパはママだけのエスパーなのよ♪」
あきら「あ~、お前達が口にするパパママの話は、類がお前達を介してノロケを披露しているとしか聞こえんわ♪
さっ、客人を案内しないと!」
紫苑「ねえ、ノロケってなあに?」
あきら「俺にばかり聞かないで、そうだ、優しい優しい司おじ様に聞いてごらん?」
藍「ねえ、司おじ様、ノロケって何?」
司「それより、お前の母親は牧野なのか?」
藍「ママは、牧野じゃないよ!?
ねえ、ノロケって?」
司「そうか、やっぱり牧野はもうこの世に居ないんだな、、、」
藍「あきらおじ様、司おじ様は答えてくれないよ!?」
あきら「そうか、司には難し過ぎたかな?
じゃあ、パパに聞いてごらん?
さっ、行くよ♪」
あきら《司、牧野つくしはもうこの世に居ない、、、
何しろ、今は、花沢つくしだからな、、、》
あきら「総二郎が、旨い茶を点ててくれるぞ♪」