シン好きな方はUターンお願いいたします～

－－－－－－

ガンヒョン「チェギョン、此方よ♪

ほら、どう？」

チェギョン「うわあ、素敵♪

木々の木洩れ日が煌めいて、流石ガンヒョンのお薦めスポットだわ♪」

ユル「僕も、此処で描いても良いかな？」

ガンヒョン「何を今更！？

チェギョンの居るところ、ユル君在り、、、でしょ？」

チェギョン「・・・〃〃〃

あっ！ 忘れ物！

ユル君、この場所を確保しておいて！？

すぐ戻って来るから♪」

ユル「ああ、分かった♪」

ユルは、少し離れた場所に居るSPに然り気無く目配せする、、、

チェギョン《イギリスのジョージ達から電話が入る予定だから、携帯を忘れてはいけない、いけない、、、》

教室に戻り、カバンから携帯を取り出し、ツナギのポケットに入れ、戻っていくチェギョン、、、

ある部屋の前に差し掛かった時に、窓から漏れ聞こえる声が、、、

「なあ、ヒョリン、結婚しないか？」

ヒョリン「えっ！ シン、まだ私達、学生よ！？

それに、私、バレエ留学が決まっているの♪

結婚なんて、まだ早いわ！」

シン「そもそも宮では結婚が早いんだ、、、

私の場合は遅いくらいだよ、、、

全く知らない女との結婚より、気心の知れたヒョリンとのほうが、良いんじゃないかと思ったんだが、、、」

その時、チェギョンの携帯が、、、

『電話だよ♪ 早く出なさい、電話だよ♪』

チェギョン《あ～、この面白い呼び出し音が、今は恨めしい～》

慌ててポケットから取り出そうとして、携帯を落としてしまったチェギョン、、、

拾おうと、体を折り曲げて携帯を手に取るチェギョン、、、

『電話だよ♪ 早く出なさい、電話だよ♪』

チェギョン「あ～、分かってるって！

今はマズイんだって！

もう、止まってよ！？」

アセるチェギョンの腕が掴まれ、体を起こされる、、、

シン「今の私達の話を聞いたな！

いいか！ 少しでも誰かに喋ろうものなら、命は無いものと思え！

お前の家族、一族郎党もだ！」

チェギョンは、呆気に取られて言葉も無く突っ立っていた、、、

が、持ち前の負けん気がムクムクと、、、

チェギョン「ちょっと待ったあ、阿呆皇太子！」

ピタッと足を止め、振り返るシン、、、

シン「何！？ 今、なんと言った！？」

チェギョン「待てと申しあげましたが！？」

と、慇懃無礼にチェギョン、、、

シン「今の言葉、不敬罪で罪に問われるぞ！」

チェギョン「はあ、こうまで愚かな皇太子とは、やれやれ、、、

良いですか！？

腐れた耳をかっぽじって、良くお聞き、、ください！？

今のプロポーズの事、他言することはございません、一切興味の無い事ですので、勝手にしていれば、、でございます、、、

それを言うこと欠いて、一族郎党皆殺しですってぇ！

殺れるものなら殺ってご覧なさい！」

徐に携帯を耳に当てて、、、

チェギョン「緊急連絡、今の言葉聞いた？

そちらでも自動録音されているわよね！

もし、私や一族郎党や友達が、髪の毛一本でも傷つけられたら、それが明らかな事故であろうと、この会話を世界配信してくれる？

O.K.

何時ものように弁護士にも手続きしてね♪

私のほうも、すぐ手続きするわ♪」

呆気に取られているシンに、電話を切る事無く更に、、、

チェギョン「それから、不敬罪ですって！？

ふん！

プロポーズを聞かなかった事にするには、今の私達の会話も無かった事にする訳で、不敬罪も存在しませんでしょ！？

ああ、思っていたよりおバカさん皇太子で、ガッカリだわ♪

では、今後とも、お互いに透明人間というスタンスで、、、

では、ごきげんよう♪」

さっさと背中を向けて、手にした携帯を耳に宛て、、、

チェギョン「はい、今のところ無事です、、、

緊急連絡終了♪」

シン「・・・・・」

チェギョン「あら、びっくりなさって、、、

この世の中、私共一般人も用心しなくてはね♪

宮では、これくらいのセキュリティーは普通でしょ？」

シン「お前、何者だ？」

チェギョン「私は、お前ではなく、チェギョンです！

まっ、覚えの悪い殿下に申し上げてもすぐ忘れておしまいになるでしょうけど！？

良いですか！ 確認いたしましょう！？

殿下と私チェギョンは、全くの見知らぬ関係！

何処かですれ違っても、目も交わさない関係！

互いに何者でもなく透明人間同志！

と言うことで、失礼いたします、、、」

と、綺麗にお辞儀して歩み去りながら、、、

ピポパピポパ、、、

こっそり付いていたSPも、皇太子と何やら言い合うチェギョンにハラハラしていましたが、表だって出ていく必要も無さそうでホッとしています、、、

（皇太子のSPは、大学中に仕掛けた隠しカメラで、皇太子を見守っていますので、チェギョンとそのSPについては、宮に報告済みです）

チェギョン「あっ、もしもしジョージ？

チェギョンよ、ごきげんよう♪

フランス語で話すわね♪

先程はごめんなさい、変な奴に絡まれて、電話に出られなかったの！

ううん、大丈夫♪

大したこと無い奴だから、、、（←オイ）

それより、聞いて♪

ユル君が、此方に来てたの！

しかも同じ美術科♪

更に嬉しいのは、以前話した幼い頃の友達に、会えたの！

それも同じ美術科よ♪

もう、最高♪

えっ？ 勿論、ジョージに会えないのは寂しいわ♪

えっ？ 休暇？

まだ、何も決めていないわ♪

えっ？ またぁ〃〃〃」

綺麗なフランス語の発音に聞き惚れて、結果、無礼な言葉をスルーするシン、、、

しびれを切らして部屋から出てきたヒョリン、、、

ヒョリン「シン、また、そのツナギ女なの！？」

シン「・・・・・」

チェギョン「わっ！ 香水臭い化粧オバケが来たから、切るわね♪

また、電話するから、皆によろしくね♪」

フランス語が分からないヒョリンを見て、確かに化粧は濃いし、香水は付けすぎだと、思わず笑ってしまうシン、、、

一方、ダブダブのツナギを着て、お団子頭に絵筆（今日は絵筆！）を刺した奇妙な格好ながら、何故か惹き付けられるチェギョン、、、

シンは、スタスタと歩き去るチェギョンに見とれています、、、

シン「ヒョリン、悪いが、この後、課題をしなくてはいけないから、これで失礼するよ♪」

ヒョリンを置き捨てて歩きながら、チェギョンの遠慮の無い率直な物言いを思い出し、思わず笑ってしまうシン、、、

、、、と同時に、、、

チェギョンの透き通るような白い肌、化粧はしていないのに真っ赤なぷっくりした唇、あのお団子を解いたらさぞかし豊かで艶やかであろう黒髪、香水も付けていないのに薫り立つ甘やかな薫り、何よりキラキラ耀く碧の眼、、、を思い出していた、、、

ユル「チェギョン、やっと戻ってきた！

遅いから迎えに行こうかと思っていたところだよ！？

うん？ なんか殺気立っているよ！？」

ガンヒョン「逆立ったハリネズミみたい、、、」

チェギョン「ぷっ、ふふふ、、、

確かに、気分はハリネズミよ♪

大したことじゃあ無かったけど、ちょっとあってね！？

でも、ユルやガンヒョンの顔を見たら、気分が良くなったわ♪

あとでランチタイムに聞きたい事があるの、、、」

ユル「O.K.

じゃ、今は写生に集中しよ♪」

皆、写生に夢中で、そんなチェギョン達を映像科の生徒が写真に撮っているのに、全く気が付いていません、、、

皇太子も含め、皆、何故かチェギョンを撮っています、、、

そして、レンズを通して確信します、、、

チェギョンは、今までで最高の被写体だと、、、

単なる美人は、単なる被写体でしかありませんが、チェギョンは、魂の耀きを持った最高の美人で、誰もがレンズを向けてその耀きを写し撮りたいと願ってしまうのです、、、

皇太子も、夢中でシャッターを押しています、、、

ユルが、SPからのメールで、現状に気が付きます、、、

ユル「そろそろ休憩にしようよ♪

ほら、チェギョン！

いつもの癖で夢中になり過ぎだよ♪

ガンヒョンも、ティータイムにしようよ♪

水分補給しないとね♪」

チェギョン「ありがとう、ユル♪

ユルが、いつも声を掛けてくれるから、安心して集中できるの♪

ガンヒョン、休憩にしましょう！？」

ユル「僕のお姫様は、夢中になると飲まず食わずで丸一日過ごしかねないから、ナイトの僕が、ちゃんと食べさせないとね♪」

チェギョン「もう、ユルったら♪」

ガンヒョン「ハイハイ、イチャイチャはそこまで！

ティールームに行きましょう♪」

シンも先回りしてティールームに急ぎます、、、

けれど、待てど暮らせどチェギョン達は来ません、、、

誰かの気配の度に、入口を見るのですが、今度こそと期待して顔をあげると、ヒョリンが入ってきたところでした、、、

自分を見てあからさまにガッカリするシンに、ヒョリンの警鐘が大きく鳴ります、、、

ヒョリン《あのデブデブツナギが編入して来てから、シンの様子が変わったわ！

なんとかしなくちゃ！》

いつの間にか、ダブダブツナギがヒョリンの手にかかるとデブデブツナギに！

ヒョリンのキス１つで自分の言いなりになるインに計画を持ち掛けます、、、

そうとは知らずに、教室に戻り互いに絵を見せ合うチェギョン達、、、

ガンヒョン「うわあ！ チェギョン、素敵♪

こんなタッチ見たこと無いわ！？

チェギョンのは心象風景ね♪

妖精が可愛いいわ♪」

ユル「チェギョンは、ピアノが好きで音楽科に行きたかったようだけど、、、

チェギョンの誰も真似できないこのタッチを、韓国の絵画展でも披露して欲しかったんだ♪」

ガンヒョン「と言うことは、イギリスで賞を獲っているのね♪」

ユル「僕のお姫様は、イギリスで賞を総なめにしているよ♪」

ガンヒョン「凄いわ、チェギョン！

この絵も仕上げたら、絵画展に出しましょうよ！？」

チェギョン「もう、ユルの褒め過ぎ～

いつもそうやって、私を恥ずかしがらせて、楽しむんだから、、、」

ユル「本当の事を言っているだけだよ♪

もう良い加減に褒められる事に慣れなくちゃね♪」

チェギョン「ユルったら♪〃〃〃」

ガンヒョン「はいはい、お仕舞い～

喉渇いちゃったわ♪」

ユル「隣にティールームが出来て便利になったんだ♪

チェギョンは、いつものミルクティーで良いかな？」

ガンヒョン「私は、アイスカフェオレ～」

そうなんです、チェギョンの父親シン氏による寄付で、美術科の隣に可愛いいティールームが出来ていたのです、、、

シンは、シンの入学時に作られた映像科の隣のティールームで待ち伏せしていたのです、、、