(続16)この子猫の子子猫のつくし
進が小さな声でひそひそと、、、
進「ねえ、桜子さん、半分取った箱には、2種類のカードが入っていた?」
桜子「ええ、2種類入ってましたわ♪」
進「それって、2種類入った箱の存在を隠すため?
1種類しか入っていないと思わせるため?」
桜子「ええ、まして、二重底に隠されたカードがあるなんて、考え付かないように、、、」
進「でも、優希さんと僕の両親のチームの担当分には細工しなかったよね?
チームの担当分がどうなるか、どうして分かったの?」
桜子「簡単ですわ♪
私達が、出発したら、慌てて追い掛けてくるのは?」
進「司さん、、、」
桜子「進君のご両親は、その後に続きますか?」
進「いや、出発するまで時間がかかるよ、、、
それに、総二郎さんも司さんと同じように短気だから、司さんの後をすぐ追い掛ける、、、」
桜子「ほらね♪
ちょっと考えれば、出発の順番は分かるでしょ?
箱の分担の番号もね♪」
進「じゃあ、何故、司さん達の担当分に細工しておいて、総二郎さん達の担当分には細工しなかったの?」
桜子「二重底を教える役割が、総二郎さん達だったから、、、
私が教えたのでは、司さんに私が締め上げられるでしょ!?」
進「・・・桜子さんって、魔女?」
桜子「魔女とは失礼な!
つくし先輩大好きで、類さんからつくし先輩を奪還したい、ただの後輩です!
魔女だなんて言ったら、カエルにしちゃうわよ♪」
進《ひえ~、やっぱり魔女じゃん!》
桜子「ま、これくらい出来ないと、類さんに太刀打出来ませんことよ!?」
と、優雅にナプキンで口を拭うと、、、
桜子「では、私達はお先に失礼いたします、、、」
進「えっ!? 司さん達を待たないとカードが、、、」
桜子「大丈夫、全部揃っていますから♪
そうそう、勝負に油断は禁物、、と、司さんにお伝えください、、、
勝負に負けて根に持つほど、根性が小さい男じゃないと信じます、、ともお伝えください、、、
後を引かれると嫌なので、、、
では、ごきげんよう♪
あっ、優希さん、これどうぞ♪」
優希「わあ、これでカード全部揃ったかも!」
総二郎「やられた!
桜子の策士め!」
あきら「まあ、類ほどでは無いがな、、、
中々やるな♪」
今後、桜子を怒らせる事はすまいと心に刻み込む二人でした、、、
しかし、その晩のこと、、、
桜子「ちょっと、滋さん、優希さん、つくし先輩も!
なんで、疲れて寝ちゃうんですか!
枕投げはどうなったんですか!
つくし先輩は、皆が迷路で走り回っている間、お昼寝も充分なさったはずでしょ!?
ちょっとぉ、枕投げはもういいですから、お喋りしましょうよ~!
はあ、駄目だわ!
類さんの仕掛けに負けた!
明日のリベンジの為に、私も寝ます!」
皆が寝静まると、クスクス笑いながら、、、
類「やっぱり皆、寝ちゃったね♪
じゃ、花枝、つくしを僕のベッドにお願い♪」
花枝「類様、早く大きくなって、つくし様を類様だけのものにしてくださいませ♪
つくし様が人気があり過ぎて、花枝は心配で心配で、、、
せめて内々での婚約でも整えば、、、」
類「しぃ~、つくしが起きちゃうよ?
大丈夫、父様母様がフランスから帰国次第、つくしを許嫁にしてもらうから♪
入学後も、ちゃんと考えているし、、、」