運命の女2
「タマ先輩、今までお世話になりました。
もうこちらにお邪魔することも無いと思います。ありがとうございました。」
「つくし、あんたは、本当にいい子だ。
こんなにいい子を手放して、司坊っちゃんは、、、
つくし、お願いだから幸せにおなり。
あんたが幸せにならずして誰が幸せになる権利があるっていうんだい?
ほら、本当の幸せは、案外すぐ側にあるもんだよ」
「ま~き~の~、送ってくよ」
「花沢類、駄目だよ。
私なんかと関わっちゃ駄目だよ。」
「俺が、側にいたいの。いいから行くよ。
牧野、あんたが、ちゃんと泣いて、泣き疲れて泣かなくなるまで、側を離れないよ。
涙が涸れたら 笑って俺の側にいてよ」
「〃〃〃は、花沢類〃〃〃、、、」
「つくし、司坊っちゃんと駄目になったからといって、幸せになる勇気まで無くすんじゃないよ」
「「おいっ、類、待てよ。俺らも一緒に」」
「つくし~滋ちゃんも」
「先輩~」
「あ~タマさん、あいつらの足止め、よろしく! 行くよ、牧野!」
しっかり恋人繋ぎで、つくしを引っ張って行く類。
「ま、待って、待って!
そんなに引っ張らないで~花沢類~」
「ふっ、つくし、、、
司坊っちゃんと幸せになって欲しかったけど、、、
類坊っちゃんと一緒の時の笑顔のほうが幸せそうだったね、、、
つくしの運命の相手は、司坊っちゃんじゃなかったんだね、、、」と一人呟くタマ。
「大河原のお嬢様達、皆さん、大事な話がありますですから、こちらへ。」
タマの言葉は、道明寺家の法律、皆、つくしを気にしながら、タマについていきます。
「坊っちゃんは、まもなくNYへ呼ばれていきます。そして、大河原のお嬢様もNYへ留学することになっています。」
「それって、滋さんとの縁談が再度持ち上がっているっていうことですね!?」
さすが鋭利な桜子、、、
「え~やだよ~。
今の司は到底好きになれない。
つくしが好きで一生懸命な司が好きだったけど、つくしを傷付けてあんな女に入れ込む司は、男としても人間としても問題外だもん。どうしても政略結婚なら、あきら君のほうがいいよ~」
「、、、なんか今、寒気が、、、」
「ひっどっい~あきら‼
いまに惚れさせてやるからね~
滋ちゃんの底力を見せてやる~♪」
「滋さん、本気出さないと、、、
鉄の魔女に負けないように」
「桜子だって、他人事じゃないでしょ?
お見合い話来てるでしょ?」
「あら、私は、滋さんほど緊迫しておりませんから。
じっくり選ばせていただきますわ。
それより、西門さんが、ジリジリしていらっしゃいますから、お暇いたしましょう」
「じゃ、滋ちゃんは、あきら君に送ってもらおっと♪」
「では、西門さんは、先輩達を追いかけていらっしゃいますか?」
「いや、今日は類にまかせよう。
悔しいが、牧野がちゃんと泣けるのは、類の腕の中だろうから。」
「西門さんも、3回ルールなんてチャラチャラなさってらしても、先輩のことは、ちゃんと見守って理解なさってるんですね♪ 」
「ふっ、その理解のせいで、出遅れたがな。」
「では、西門さんに送っていただきますわ。それではタマさん、お暇致します。
でも、私達に情報下さって大丈夫ですか? 」
「ああ、つくしは勿論のこと、あんた達にも幸せになって欲しいのさ。
自分の幸せは、自分でつかむんだよ!
さあ、お行き!
坊っちゃんも、自分なりの幸せをつかむだろうから。」
「あきら、ダーリン~♪」
「なっ、なんだよ〃〃〃」
「司との政略結婚が、また、持ち上がったら、滋ちゃんは ダーリンのところに匿ってもらうから、よろしくね♪」
「〃〃〃ねぇ、花沢類、ねぇ、、〃〃〃」
「、、、類、、、」
「?」
「これからは、類って呼ばないと返事しないから」
「〃〃〃えぇ? どうしたの? 花沢類?」
「・・・・・・」
無言のまま、車にエスコートする類、、、
「え~っと、ど、どこに向かってるのかなぁ~ る、る、類?」
すると、天使の微笑みを浮かべて、、、
「あんたが、つくしが、居るべきところ。
いつでも安心して笑っていられるところだよ♪」
「る、類、、な、なんかいつもと違っ、、」
「うん、俺、我慢するのやめたから。
つくしを守る役割は、もう誰にも譲らないよ♪」
「つくしは、俺ら、みんなから離れるつもりでしょ?
住む世界が違うとか、迷惑をかけるからとか、、
つくしは、そんなに自分を恥ずかしい存在だと思ってるの?」
「俺は、自分達のほうが恥ずかしい存在だと思ってるよ。
世間知らずで、人を人とも思っていなかった。
傲慢で自分勝手で、、、
ほんとに恥ずかしいよ。
だけど、つくしが俺らを変えてくれた。
つくしは素晴らしい人間なんだよ。
自信持ちなよ♪
しかも女としても可愛いし、どんどん綺麗になっているし、男が放って置かないし、俺、心配で堪んない、、、」
つくしを抱き締めて、切なさそうに、、、
「つくし、俺から離れないで。
つくしが側にいてくれなきゃ、俺、駄目になる。
弱ってるあんたに今言うのは、フェアじゃないかも、、、
でも好きなんだ、ずっと好きだった。
ずっとあんたを、つくしだけを見てきた。
司に思いを残していてもいい。
どんなあんたも、まるごと受け止める。
だから、俺のそばにいて?
つくしがそばに居ないと、俺、息が出来なくなって死んじゃうかも。」
「〃〃〃る、類、、、〃〃〃」