慟哭10
進「ただ今戻りました!」
類「御苦労様♪」
つくし「進~♪」
進「姉ちゃん! 良かった! グスン、、
目覚め無かったらどうしようかと、、、
類さんが付いているから大丈夫とは思っていたけど、、、」
つくし「進、いつの間にそんなに大きくなって、、、」
進「あっ、何時から記憶が埋もれちゃったんだっけ?」
類《病院の腫れ物を扱うような態度ではなく、記憶のこともアッケラカンと何でも無い事のように話す進に、気が楽になったようだな、、、》
つくし《類も、私の記憶のことを気にせずに、逆に『お得』だなんて言ってくれている、、、
進も、こんな調子で接してくれる、、、
そうだよね♪
思い出す時がくれば、思い出すんだし、、、
必要な事は、学んでいけば良いし、、、
今の私で良いんだわ♪》
心の葛藤にケリをつけて、にっこりしたつくし、、、
つくし「うん、高校時代からの記憶が曖昧で、、、
でも、非常階段とかビー玉の瞳とか、少しは覚えているの、、、」
進「キャハハ、それって全部類さんがらみだね~♪
流石、俺の姉ちゃん!
一番大事な事は忘れないね!」
つくし「そ、そうかな?」
類「でも、俺との初恋は埋もれちゃったんだよ!」
進「えっ! それなのに、今の恋人状態って!?」
類「うん、もう一度、初恋から始めているところ♪」
進「キャハハ、それって、すんごくお得だね~♪
二度も初恋を体験出来るなんて!
姉ちゃんのことだから、また、類さんに一目惚れしたんだ~♪」
つくし「・・・〃〃〃」
類「えっ♪ そうなの?」
つくし「う、うん、あの時と同じで、ビー玉の瞳の王子様かと見とれて、、、」
類「俺、この顔に産まれて良かった!
つくしが惚れてくれるから、、、
つくしに会う前は、この顔のせいで、うざい女が寄って来るから、自分の顔が嫌いだったんだ、、、」
つくし「類、、、
私、類の顔大好き!
でも、顔だけじゃなく、類の全てが好き!
優しくて思い遣りがあって、そのくせ寂しがりやで、、、
そんな類の全部、全部が大好き~♪」
類「・・・〃〃〃」
進が、そっと席を外します、、、
類が思わずつくしを抱き締めて、、、
類「俺、つくしが居ないと生きていけない!
つくしが目を覚まさなかったらと、本当に怖かった!
つくし、俺から離れないで!?
つくしが俺を忘れても、思い出さなくたって、俺が何度でも好きにさせてみせる!
つくし、愛してる!
俺のものになって!?」
つくし「類、類、愛してる!
私、記憶が無くなっても、何度でも類を愛するわ!
愛さずにはいられないの!」
類「つくし、つくし、俺の妻、俺のつくし、、、」
二人は、太古の昔から愛し合う宿命の恋人として、ベッドに沈み込んでいった、、、