慟哭15
類とつくしが消えて12年、もう、二度とつくしに会えないだろうと思う一方、諦め切れない俺が居る、、、
あきらは、あきらが原因の妊娠が発覚し離婚が成立した不倫相手と結婚して、双子の父親になった、、、
総二郎は、あっさり政略結婚し三児の父親になっている、、、
俺は、特に結婚願望も無ければ、誰に強要されることもない、、、
適当に関係を持っては別れる、割り切った付き合いを重ねていた、、、
ただし、また刺されるのは御免で、相手は慎重に選んだ、、、
本物の女の存在を知った俺は、知らなかった時に戻れず、戻りたくも無かったから、結婚なんて考えられ無かった、、、
俺は、本当に大事な事は何も知らなかったんだ、、、
失って初めて分かるって言うが、失う事がどんな事なのか、それすら知らなかったんだ、、、
そんなある日、女のお伴で画廊に出掛けた、、、
そして、知る事になる、、、
生涯唯一愛した女の死を、、、
会えない事は、諦めを持ってある程度は覚悟していた、、、
だが、何処かで類と幸せに生きてくれていればこそだった、、、
どんなに会いたくてももう会えない、、、
もしかしたら、いつか会う事が許されるかもしれないと言う可能性が0になった時、、、
俺を襲った壮絶な喪失感、、、
胸が苦しくなり、気が遠くなっていく時に、以前刺された時のように俺の名を呼ぶ幻の声も聞こえず、、、
ああ、これが本当に失ったって事なのか、、、
消え行く意識の中で思い知らされた、、、
あきら達と、、、
あきら「司、大丈夫か?」
司「ああ、少しスローダウンすれば、何ともない、、、」
総二郎「驚かすなよ!
一体何度病院に駆け付けさせるんだ?」
司「悪りぃな、、、」
総二郎「おい、司、何があったんだ?
今のお前、おかしいぞ、、、
何でもないなんて言うなよ!」
司「牧野、いや、花沢つくしに会った、、、」
総二郎「!!!」
司「いや、本人じゃねえ、、、
つくしを描いた絵があったんだ、、、」
あきら「ああ、俺も見た、、、
マック・アレキサンダーの絵だろ?
俺なりに調べたが、何も情報が得られ無かった、、、」
司「俺達の手の届く相手じゃなくなった、、と言う訳か、、、」
総二郎「だが、これでお前も気持ちに一区切りついたんじゃねえか?」
あきら「お前も、無い物ねだりしないで、1歩踏み出してみろ!
案外、違う景色が見えてくると思うぞ、、、」
司「・・・・・」