総二郎「ちっ、この箱は、3だ!」
あきら「それに、空っぽだ!
もう、桜子達も類達も取ったんだな!?」
総二郎「あっ、あそこにも箱が!
うおぅ! 壁が動いて道を塞がれた!」
滋「きゃ~、また塞がれた~!
司がグズグズしてるから、道を塞がれたのこれで5回目だよ!?
もう、これからは滋が指示する通りにするんだよ!?」
司「うっせえな!
出来るもんならやってみろって!」
あきら「お~い、司、滋、何ケンカしてんだよ!?
協力し合わないと、何時までもクリア出来ねえぞ!?」
滋「そっちは、いくつ見つけた?」
総二郎「俺達は、11、14、15の3箱だ!」
司「あっちで13見たぞ!」
あきら「おまっ! それ、ちゃんと取ってくれたか?」
司「何でだよ?
それ、お前達の担当じゃねえか!」
総二郎「はあ、俺達じゃなくても、誰かがゴールまで持ってくれば、皆で分けられるだろが!
手紙でも入れて置けば、誰が持っていったか分かるだろ?」
滋「そっかぁ♪
自分の担当以外でも取って良かったんだ~!?」
滋《いや、それをやったら、すぐゴールじゃん!
もっと司と一緒に居たいんだよ~♪》
総二郎「あっちの方向だな?
あきら、行くぞ!」
滋「ねえ、7と9、見なかった~?」
滋《一応、一生懸命ってところを見せておかないとね♪》
あきら「見てねえ、じゃな♪」
進「あ~! また塞がれた~!」
桜子「流石、花沢家!
庭師の後藤さんとやらも、一筋縄でいきませんわね!?
じゃ、ちょっと休憩しましょうか?」
進「桜子ちゃん、僕達は1から5までの箱を見つけるんだったよね?
でも、さっきから見つけた箱は全部、中のカードを取っているよね?」
桜子「当たり前ですわ♪
私以外では、滋さんと優希さんが頼りになりますが、優希さんは牧野パパママに振り回されているでしょうし、滋さんは司さんと一緒の時間を楽しんで、箱なんて二の次でしょうし、、、
他の人なんて当てになりませんから♪」
進「でも、枚数を数えては、全部取ったり、僕達の分だけ取ったり、半分取ったり、、、
なんで?」
桜子「それは、ゲームを楽しくするためですわ♪
先ず、つくし先輩と類さんの分を取ってしまうと後が怖いですし、、、
それに、F3が、更なる罠に気が付いているのかも、お楽しみの1つですわ♪」
進「え~! まだ罠があるの~?」
桜子「それについては、後のお楽しみ♪
さっ、そろそろ道が開いても良さそうなんですけど、、、」
進「え~! 休憩って、道が開くのを待っていたの~?
桜子さん、開く時間が分かっているの!?」
桜子「ランダムと言えども、30分以上開かないって事は考えにくいですから、やたらめったら歩き回らずに、果報は寝て待てですわ♪
ま、私達は寝ませんが、、、
う~ん、もう少し開くまで掛かりそうですね♪
水分補給しましょうか?
あそこの枝の袋、取れますか?」
進「あれ? あんなところに?
よいしょ!
あっ! お菓子も入ってる!
でも何で?」
桜子「たぶん、つくし先輩用の餌ですわ♪
私達用は、目立つ袋の筈ですもの♪」
進「ああ、さっきの黄色い袋に飲み物が入っていた奴!?
これは、わざと目立たない色にしてあるけど、姉ちゃんなら匂いで探し当てるね♪
フィナンシェが入ってる♪
飲み物も、クーラーポットで、アイスティだ♪」
桜子「はあ、花沢家は、とことんつくし先輩を甘やかしていますね♪」
進「僕達も、こっちの袋を見つけたら、遠慮なくもらっちゃおうよ♪
あっ! 道が開いたよ! 桜子さん!」
桜子「流石、つくし先輩の弟、天然振りも先輩に負けていませんわね♪
じゃ、行きましょうか?」
優希「牧野パパ、ほら、しっかり歩いて!」
晴男「待って、この赤い袋に食べ物は?
はあ、飲み物だけかぁ、、、」
千恵子「もう、沢山箱を見つけたんじゃない?
5個以上見つけたと思うけど、優希ちゃん?」
優希「ええ、でも私達の担当分はまだ揃っていませんから、、、
20番の箱を見つけないと、、、」
晴男「あっ! 道が開いたよ!
優希ちゃん、行こう♪」
優希「あっ、そっちは、さっき行ったところで、、、」
千恵子「優希ちゃん、早く早く♪
また、閉じちゃったら大変♪」
優希「だから、そっちは、もう行かなくて良い、、、って、聞いちゃいないわ!
はあ、追いかけないと、、、
なんで、道が開く度に、考えなしに飛び込んでいくのかな~?」
進「わあ、そこが出口だね♪
やっぱり、一番乗りだね♪」
桜子「残念ながら、一番は、つくし先輩達だと思います、、、
いくらこの迷路が変化すると言っても、基本情報は頭に入っている類さんですもの!
お菓子の袋の残骸から見ても、かなり早いペースで通り抜けた筈です、、、」
進「流石、類兄さん♪
で、僕達も出ますか?」
桜子「それも残念ながら無理ですわ!
箱を全部見つけた訳じゃ無いので、、、」
進「じゃ、そこのテーブルでお茶しながら、皆を待とう!?」
桜子「やれやれ、冷たい烏龍茶が飲みたい気分~」
と、そこへ、メイドがワゴンを引いて入って来ました、、、
「冷たい烏龍茶をお持ち致しました、、、
進様、アイスティ、ケーキもございますよ♪」
進「流石、類兄さんのやることに、抜かりは無いねえ♪」
桜子「至れり尽くせりで、これも元はと言えば、つくし先輩のお陰ですわね♪
それにしても、今日も類さんにつくし先輩を独占させてしまったわ!
まあ、今夜の枕投げで挽回ですわ♪」
司「あ~、ちきしょう!
桜子が先だったか!」
滋「あっ、アイスティ!
ケーキも♪
頂きま~す♪」
桜子「滋さん、ストップ!
先にカードを配りましょうよ♪」
滋「全員揃ってからで良いじゃん!?
さっ、司、アイスティだよ♪」
司「お、おう、、、」
桜子《これは、、、滋さんは気が付いていたけど、知らん振りして来ましたね!》
滋が、ウィンクしてくるので、、、
桜子《分かっておりますわよ♪
全員揃うまで黙っておりますわよ♪》
優希「あ~、皆、揃って、、、ないわ、、」
晴男「やっと一休みできる、、、
いやあ、この迷路、楽しいですね♪
けど、思っていたより時間がかかりました!」
優希《時間がかかったのは、開いた道へ条件反射のように突っ込んで行くからです~》
桜子「優希さん、お疲れさまです♪
飲み物とケーキはいかがですか?」
総二郎「お~、やっと出口に着いたぞ♪」
あきら「皆、早かったんだな!?
お! 総二郎、ちょっと座ろうぜ!?」
総二郎「いや~参った!
途中でもう一度戻ったから、時間がかかっちまった!」
司「なんで戻ったんだ?」
あきら「箱が二重底になったのがあったろ?
それに気が付いたのは、司達と分かれた後さ!」
司「二重底?
おい、そんな箱、在ったか?」
滋「全然気が付かなかった!」
滋《気が付いていたけど、知らん振り~》
総二郎「司、箱が20だからカードも20種類だと、決めつけていたな!?
2種類入った箱が在ったんだよ!」
あきら「しかも、少なくとも1つは二重底で、隠されていたんだよ!」
桜子「じゃ、取敢えず手持ちのカードを配りましょうか!?」
配り終えると、、、
桜子「やはり、手分けしてカードを分担することも、お見通しだったんですね!
各々、2種類入った箱が2個、内、1つが二重底ですわ♪」
総二郎「俺達、ここで待っているから、取り直してこいよ!?」
司「クッソー!
仕方ねえ、滋、行くぞ!」
滋「あ~、もうちょっとケーキ食べたい~」
あきら「ちゃんと残しておくから、早く取ってこい!」