俺達が知らなかったこと12
車は京都郊外へ、、、
つくしの車は、前後を守られて走る、、、
車内では、類の膝に乗せられて、チュッ♪チュッ♪チュッ♪の嵐、、、
ジョン達は、見ない振りして視界にはしっかりキープ、、、
つくし「待って、待って、類~♪
私に説明させて?」
類「う~ん、SPの前じゃ、これ以上は目の毒かぁ~
じゃ、聞かせて?」
そうは言っても、類の手は、つくしの髪の毛をすいたり撫でたり、肩から背中を撫で擦ったりと、つくしの存在を確認するのに夢中です、、、
つくし「私が、ラウンジで類達に質問した日を覚えてる?」
類「忘れる訳が無い!
つくしに関することは、全て覚えているよ♪
チュッ♪」
途端に、ボボボッと紅くなるつくし、、、
類「可愛いい、つくし♪ チュッ♪」
つくし「は、話を聞いて?」
類「一字一句聞き漏らさないよ♪
で?」
つくし「その日の夜に、父と会ったの、、、
父の研究に光が見えてきたと、迎えに来たの、、、
ところが、私、父の目の前で倒れてしまったの、、、
この時一度私、死んだの、、、
ただし、脳出血は引き金で遺伝子の異常が原因よ、、、
進やパパママが、私が脳出血で死んだと嘆き悲しんでいる最中、父は、私にこっそり遺伝子治療の注射を打ったの、、、
そう、父の研究は、母を救う為の、母の死後は、私を救う為の遺伝子研究だったの、、、
父が話してくれたんだけど、母を失って、私まで失ってしまったら、気が狂ってしまうと、がむしゃらに研究に没頭していたんですって、、、
だから、あの日まで会いに来ることが出来なかったと、、、
父の注射のおかげで命をとりとめたけど、一見死亡したように見える私を、父はスイスに運んだの、、、」
類「じゃあ、あのお寺のお墓は?」
つくし「私を救えない場合、恩あるパパ達を2度も悲しませたくないと、私が死んだとパパ達が思い込んでいるままに、父はスイスに帰ったの、、、
あのお寺のお墓には、私の黒い髪の毛が入っているんですって、、、」
類「俺達、どんなに忙しくても、つくしの誕生日には、F4揃ってあそこに行って、お祝いしていたんだ♪
俺は、春と秋にも、つくしの夢を見たくて来ていたよ♪
なのに、あんたは夢にも現れてくれなかった!」
つくし「父を通してご住職から類達の事を2年前に聞いたわ、、、
スイスに運ばれた私に、3年間、父は有りとあらゆる手段で治療を重ねてくれて、やっと意識を取り戻してベッドから起きることができたの、、、
でも、まだ完治した訳ではなかったの、、、
この2年間は、リハビリと更なる遺伝子治療に明け暮れていたわ、、、
辛い治療とリハビリに泣いていた私に、父がご住職から聞いたと教えてくれたの、、、
類が、私を忘れずにいてくれるって、、、
私、類の側に帰りたい、、、
類の側に帰る為に、私はまだ頑張れるって、、、
この2年間、類、貴方が私の心の支えだった、、、
そして、父の研究の遺伝子治療のおかげで、私、完治したの♪
でも、遺伝子操作で髪の毛や瞳の色が変わってしまったわ、、、」
類「俺は、つくしがつくしである限り、愛さずにはいられないよ♪
それに、そのシルバーブロンド髪の毛と紫の瞳、素敵だよ♪
黒い髪の毛も黒い瞳も大好きだったけど、、、
なんか俺、つくしの言う『お得』を体感しているみたいだよ♪
日本人形バージョンのつくしと西洋人形バージョンのつくし、一粒で2度美味しいって、この事だよね♪」
つくし「お得って、、、〃〃〃
う~ん、ビミョーに違う気がするけど、、、
でも、今の私を受け入れてくれてありがとう♪
類、一杯心配かけて、一杯悲しませちゃって、ごめんなさい、、、」
類「俺こそ、戻ってくれて、ありがとう♪
つくしが倒れる前に気が付いてあげられなくて、ごめん、、、」
つくし「うふふ、大好き、類♪」
類「俺は、愛してるよ、つくし♪
つくしは、愛してくれないの?」
つくし「あ、愛してる、類!」
類「あい、良くできました♪
じゃ、結婚式をいつにしようか?」
つくし「ええっ!?
いきなり何を!?」
類「ちょっと煩いよ!
5年間以上待たされたんだから、もう待たないよ!
つくし、お手!」
つくしが、思わず手を差し出すと、、、
類「違うでしょ!?
左手でしょ!」
ポケットから、指輪を出して、つくしの薬指にはめます、、、
類「あの時の答えを言うよ♪
残りの人生が、1週間だろうが、100年だろうが、俺の望みは、つくし、あんたと一緒にいること、、
だから、俺と今日結婚してください♪」
つくし「類、、、〃〃〃」
類「返事は? 聞いてる?」
つくし「は、はい! 」
類「ありがとう♪
この指輪は あの時1週間バイトして買ったプラチナのシンプルなリングを土台に作ったんだ♪
毎年つくしの誕生日に花弁を1枚はめ込んで、5年で完成したんだ、、」
つくし「それって!?」
類「うん、不思議だね!?
満開の桜の木の下で出会って、完成したばかりのこの桜の花の指輪を、渡せたなんて、、、」
つくし「うん、不思議♪
だって、今日会えるなんて知らなかったのに、類が指輪を持っていたなんて、、、」
ちょっと紅くなった類、、、
類「それは、この指輪を手離せなくて、いつも持ち歩いていたからだよ!、、、〃〃〃」
つくし「る、類、、、〃〃〃」
類「これを手にすると、落ち着くんだ、、、
この指輪があれば、いつかつくしに会えるって、漫画チックだけど、信じてた、、、
つくしがいなくなったことを、受け入れることが出来なかったんだ、、、
いつか、ひょっこり『類~♪』って笑って現れるって、信じてた、、、
そうじゃないと、生きていられなかった、、、〃〃〃」
つくし「類、類、類、、、」
類「つくし、泣くな!
泣かないで!?
笑って『類~♪』って言ってよ!?」
つくしは、必死に涙を押し止め、にっこり笑って、、、
つくし「類~♪ ただいま♪」
類「お帰り、つくし♪」