「ふー、つくし、頑張ったね♪
俺も、こんなに頑張ったの、初めてかも、、、
つくしの為だと、いくらでも頑張れるんだ、俺って♪
このファーストCDは、俺達の宝として永久保存しようね♪」
「でも、類、私、ちょっと恥ずかしい、、、
いくら後ろ姿でも、CDジャケットになるなんて、、、」
「クスッ、つくし、こっちは恥ずかしくないの?
つくしの瞳って、最高!」
「ええっ! これ!?」
「この潤んだ瞳、堪んない♪」
「類~〃〃〃〃〃」
「よっ♪ 」
「いよいよだな♪」
「お前のプロモーション、楽しみにしてるぜ♪」
「ふふ、まあ見てて♪」
類の奴、オーラが凄いな!
この会場内で、一際目立ってるぜ!
「つくしは、何処だ? 何処にいるんだ?」
「オイオイ、相変わらずだな、司、、、
類の女房を呼び捨てにしちゃ、まずいぜ、、」
「お前、まだ諦めてないのか!?」
「うっ、ちょっと口がスッテンコロしただけだ!」
「お前の口は、滑ってばかりだから、今日は一言も喋るなよ!」
「・・・・・」
「そうそう、その調子、、、」
類が壇上に上がり、話し始めます、、
「お集まりの皆様、今日は皆様の貴重なお時間を頂戴致しまして、ありがとうございます。
本日、発売の《Toujours avec toi》、花沢が、満を持してのご提供でございます。
皆様には、毎日何かしら嬉しいこと、幸せなことが起こってらっしゃる筈、、、
是非その嬉しく幸せな毎日を記念日としてお祝い頂き、このワインを、皆様の記念日の欠かせない友としてご利用ください、、、
愛する人と出会った日、
初めて微笑んでくれた日、
初めて手を繋いだ日、
毎日が記念日、、
記念日には貴方といつも一緒に、、
永遠(とわ)の愛のワイン、、
Toujours avec toi、、
どうぞご愛顧ください♪
では、プロモーションVIDEOスタート!」
♪君と出会えたあの日に乾杯♪
♪君と初めて手を繋ぎ♪
♪君と初めてキスした日♪
音楽に合わせて、類がつくしにプロポーズしたシーンがシルエットで流れます、、、
最後に、つくしの手がボトルを持っているかのようなラベルが貼られたワインボトルが映し出され、、
ラベルに描かれた手が 立体的に浮き上がり、ボトルを持ち上げ、ワイングラスに注ぎます、、
グラスの中で踊るように注がれるワインのアップで映像が終了、、、
「それでは、皆様、花沢が自信を持ってお薦めするToujours avec toi、ご堪能ください♪」
嵐のような拍手を浴びながら、壇上を降りようとする類に、マスコミが、質問を投げ掛けます、、
「花沢さん、1つお聞きしてもよろしいですか?
あのプロポーズのシーンのモデルの男性は、花沢さんご自身ではありませんか?」
そら、来た!
予想通り、引っ掛かったな!
「はい、シルエットで分からないと思ったのですが、良くお分かりになりましたね♪」
「お相手の女性は、どこのモデルですか?
花沢さんのプロポーズに、本気になってしまったんじゃないですか?」
「いえ、本気になってもらわないと、私が困るんですが!?」
「???」
「彼女は、私の婚約者ですから!
つくし、出ておいで♪」
桜色のシルクシフォンのドレスを纏ったつくしが、類にエスコートされて現れる、、、
「皆様、こちらが、私が愛して止まない婚約者のつくし、マッキーノ家のご令嬢です♪
つくし、今日も綺麗だ♪ チュッ♪」
「る、類~〃〃〃」
「花沢さん、もしや歌っていらしたのは、婚約者さんですか?」
「はい、彼女の歌声も素敵でしょ♪」
「ヒュー♪」
「おい! ニュースだ! 記事の差し替えの連絡だ! 駄目だ! 夕刊に間に合わない! 号外だ! 号外を出すぞ! 見出しは、 《Toujours avec toiを前に永遠(とわ)の愛を誓う婚約者達》、いや、《Toujours avec toi、毎日愛を唄う恋人達》、これでいくぞ! カメラ! 二人とワインを撮ったか!?」
「・・・類の奴、やりやがったな! 」
「すげえ騒ぎだ!」
「これで、明日からToujours avec toiと類達の婚約の話題で盛り上がるってもんだ!」
「只で宣伝してもらうようなもんだな♪」
「CMは、1週間後から流すらしいぞ♪」
「流石だな、話題が少し落ち着く頃を狙って、盛り返しに流すとは!」
「だな! 明日から1週間は、CMが必要ない程、今日の話題で賑わうからな!」
「類の奴、婚約を発表しちまった、、、」
「司~、おまっ、グジグジ言ってんじゃねえよ!」