この子猫の子子猫のつくし2
それから何日も、ルゥルゥは、僕が用意したおやつを食べた後、僕と一緒にお昼寝をして、僕と一緒に庭を散歩した、、、
まあ、正確には、一緒の散歩と言うより、僕がルゥルゥの後を付いて歩いているだけなんだけど、、、
ルゥルゥは、遊び飽きるとお辞儀をして「にゃっ」と鳴いて、塀を越えて消えるんだ、、、
類「ねえ、花枝、ルゥルゥって何処から来るんだろう?
飼い主さんが心配していないかな?」
僕が、文章で初めて話し掛けたので、一瞬固まった花枝、、、
そう言えば、ルゥルゥのおやつを貰う時も、「猫のおやつ」と言って、手を花枝の前に差し出しただけだったもんね♪
花枝「そ、それでは、明日、花枝が猫ちゃんの後をつけてみましょう!?」
類「うん! いいね!
僕も一緒に行く!」
花枝が慌てて何処かに電話しているけど、僕は僕で、シャーロック・ホームズにならなくちゃで忙しい、、、
類「花枝、今日中に、これが欲しいんだけど、何処へ行けば手に入るのかな?」
花枝「まあ、類様、そうですね、デパートに行けば全部揃いますが、外商に持って来させましょうか?」
類「僕、自分で選びたいな♪
デパートってとこに行きたい!」
それからの花枝の大騒ぎったら、思い出しても笑っちゃうよ♪
花枝「奥様、類様が、例の子猫ちゃんの飼い主さんに会いたいと、、、
はい、明日、子猫ちゃんの後をつけて行きます、、、
実は、既にお話しました通り、SPや庭師に子猫ちゃんの後をつけてもらって、飼い主さんは判明しております、、、
SPには警戒して姿を消してしまった子猫ちゃんですが、昨日の庭師には警戒しなかったので、飼い主さんがみつかりました、、、
飼い主さんの情報は、先程お送りいたしましたが、ご覧頂けましたでしょうか?
はい、はい、明日の警護は万全に、、、
はい、はい、飼い主さんのお嬢様はとても可愛いらしい方で、、、
手土産は、そのお嬢様のお好きなショコラを、はい、、、
類様ご自身で、探偵の服装や道具をデパートに選びにいらっしゃりたいと仰せで、、、
そうなんです、奥様、類様ご自身の意思で、、、
もう花枝は嬉しくて嬉しくて、、、
はい、行って参ります!
お任せください!」
デパートで、、、
外商のお客様の接待用の部屋で、、、
外商係り「この度は、花沢様のご子息様直々のご来場、ありがとうございます♪
先ずは、お好きと伺いました当店自慢の紅茶をどうぞ♪
メロンも勝手にご用意させて頂きましたが、類様のお口に合いますでしょうか?」
類「お心配り、ありがとうございます♪
うん、美味しい!
花枝、この紅茶も、明日の手土産にお願い♪
メロンも美味しい♪
ルゥルゥの飼い主さんは、メロンがお好きかなあ?」
花枝「この美味しいメロンも手土産にいたしましょう♪
きっと召し上がって頂けますよ♪」
類「そだね♪
あんなに可愛いくて賢いルゥルゥの飼い主さんだもの、きっと優しい人だよね!?」
外商係り「お気に召したようで、ありがとうございます♪
それでは、お紅茶とメロンは当店からプレゼントさせて頂きます♪」
類「それはダメだよ、お土産にするんだから、ちゃんと支払ってね、花枝!?」
花枝「はい、畏まりました!」
外商係り「なんとも利発なご子息で!
それでは、せめてご自宅用のお紅茶とメロンをプレゼントさせて頂きましょう♪」
類「ありがとう♪
ところで、肝心な物は?」
外商係り「只今、お持ちいたします♪」
類「先ずは、シャーロックの帽子とマント、この深い緑と蒼と茶色のチェックが良いね♪
スーツにシャツは、どれにしようかな?」
花枝「シャツは、類様の眼に合わせてブルー系が宜しいかと、、、
ネクタイとチーフは濃い蒼で如何でしょう?」
外商係り「とても素敵な探偵さんですよ♪」
類「でも、道具が無くちゃ!
大きな虫眼鏡は?」
外商係り「こちらの紫檀の木枠の物は如何でしょう?
類様には、少し重いでしょうか?」
類「わあ、大きく見えるよ♪
ルゥルゥにも見せてあげよう♪
おやつをこれで見たら、大量に見えて喜んじゃうね♪」
外商係り「シャーロック・ホームズが使っているのは、他に実験道具やヴァイオリン等ございますが?」
類「ヴァイオリンは、ストラディを持っているから要りません、、、
ヴァイオリン以外をお願いします、、、」
花枝「では、全て花沢邸に届けてください。」