その歌声で24
「類、やったな♪ おめでとう♪」
「ん、ありがとう♪
つくしが俺のものって、公表できてヤレヤレって言いたいけど、まだ安心出来そうに無いな!」
「そっちかよ♪
ワインの方は良いのかよ!?」
「ん、気にかけるまでも無いよ♪
つくしの歌声が流れれば、失敗なんて有り得ないでしょ♪」
「ハア、ご馳走さん♪」
「やあ、皆も来てくれたんだね♪」
「あっ! 牧野のお祖父様、婚約発表とワインの御披露目、おめでとうございます♪
体調は宜しいのですか?」
「孫達の晴れ姿じゃ、何があっても駆けつけるわい♪
其につけても、曾孫はまだか?」
「CDも仕上がった事だし、今晩から、声が嗄れる程、啼かせますよ♪
ねっ♪ つくし♪
チュッ♪ チュッ♪ チュッ♪」
「ほほう、期待しとるぞ♪」
類にガッチリ抱き締められ、キスを浴びて、真っ赤になっているつくし、、、
《か、可愛いい♪》
F3も、思わず見とれていると、、、
「つくし~」
つくしに突進して抱き付こうとする女性の額を、片手であっさり押し留めて、つくしを更に囲い込む類、、、
類の腕の長さ分、つくしに近付けなくて両手をバタバタさせている女性、、、
「酷いよ~ 類君、、、
つくしを独り占めしてて、、、
滋ちゃんにも少しは分けてよ!」
「滋さん、先輩は、ケーキや羊羹じゃないんですから、分けるなんて無理ですって、、、」
「うわあ~ん、つくしぃ、滋ちゃんと遊んでよ~
お祖父様の看病の為だから会えなくても我慢してたのに、類君がさっさと拐っちゃうし、、、
類君のバカァ、狡いぞ~」
「滋、こっち来い!
俺達が、遊んでやるって♪」
「ダメ!
つくしじゃなきゃ、ダメなの!」
「先輩、今日は優希さんもお連れしていますから、後でお時間くださいね♪」
(おお、流石、桜子、ナイス‼)
(ふふ、先輩を引っ張り出すには、やはり優希さんが必須ですわ♪)
「ほうほう、大河原のお嬢ちゃん達には、寂しい想いをさせてしまったのう
なら、今日は、牧野の別邸に皆で泊まりにいくが良い♪
類君も、温泉に浸かって疲れをとって、子作りに励んでおくれ♪」
一同「ありがとうございます♪」
「ねえ、つくし、つくしは類君が初めてよねえ?」
「はい、滋さん、男の人と手を繋いだのって、類が初めて、、、〃〃〃」
「ええっ!? マジ!?」
「じゃあ、キスも類が初めてってこと?」
「・・・〃〃〃」
「そういえば、先輩の周りって、何故か男性が居ませんでしたね♪
私が、合コンにお誘いしても、、、」
「うん、何故かスケジュールが合わなかったのよね♪」
《爺様が、総てコントロールしてたんだな!》
《つくしちゃんの初めてが、総て類のものとは、類の奴、幸せな奴だなぁ!》
《類の奴、鼻の下が伸びきってるぞ!
羨ましい♪》
「つくし、お祖父様から聞いていないの?
つくしと俺って、いいなづけだったんだよ♪
俺達は結ばれる運命だったんだよ♪」
「ええっ!」
「お祖父様は、俺と会わせるまで、変な虫が付かないように、気を配って下さっていたんだ♪
そして、そろそろ引き合わせようと計画していたところ、俺が、先に、つくしを見付けちゃったんだよね♪
俺が訪ねて行ったので、内心、お祖父様達は、ビックリしていたそうだよ♪
ねっ! つくしと俺は、出会うべくして出会ったんだよ♪
最初から、つくしは俺のものなの!」
「〃〃〃〃〃」
「桜子、今の演説は、本当に類君でしょうか!?」
「滋さん、私も信じられないですわ!
別人みたいですわ♪」
「お前達、早く慣れたほうがいいぜ!
つくしちゃんに関わる時だけ、別人格が現れるみたいなんだ!」
「あんなに類君が幸せそうに笑うなんて、しばらくは、類君がつくしを独占してもしょうがないねっ♪」
「そうですわね♪
新婚さんですし、
しばらくは、我慢しましょうか?」
類の独占欲、嫉妬の強さを、皆はまだ知らない、、、
この後、類の過保護な包囲網を潜って、つくしとお茶することさえ難しいと知ることになる、、、