愛は惜しみ無く奪い与える41A
つくしと俺の愛の結晶である駿が産まれ、そうとは知らずに奴らが訪ねてきた年の夏、俺達の結婚発表パーティーが催された、、、
マッキーノ家と花沢家の報道規制で、つくしや駿の情報は一切洩れていなかった、、、
相変わらず、マッキーノ家の令嬢は病弱だからとか、精神に問題があるからとか、政略結婚故に離婚はいつか?とかetc. のゴシップが一人歩きしていたが、、、
そんな噂など気にも止めず、俺達は幸せな日々を送っていた、、、
だって、つくしを一目見たら、馬鹿馬鹿しい噂なんてあっという間に塵芥だよね♪
パーティー当日、つくしはあの絵と同じドレスを身に纏い、俺はほっそりした首に、あの花沢家伝来の桜のネックレスを着けた、、、
その日のつくしは、まさにあの絵の少女そのもの、センセーショナル!
いや、本物のつくしの方が、一層綺麗で艶かしくて、、、
欲情した俺は、つくしを押し倒さないようにするのが精一杯だった!
幸福感で胸が一杯で、このネックレスにまつわる言い伝えのことなんて、思い出しもしなかった!
震える手でネックレスをつけ、そのままつくしから手を離すことが出来ずに、滑らかな首を撫で回すことで耐えていたんだ!
俺達が会場に入ると、一瞬にして会場は静まりかえり、うっとりしたタメ息があちらこちらから洩れていた。
皆がつくしの姿に魅入られて、惹き付けられ、甘い御菓子に群がるアリンコのように、つくしに集まってきた。
そんなアリンコ共を、俺は睨み付け蹴散らすのに大忙しだった!
F3の奴らも、アリンコからつくしを守るなんて言いながら、お前らが纏わりついてんじゃん!、、、
総二郎は、例によって、つくしに顔を近づかせ過ぎては、つくしが頬を染めるのを楽しんでいるし、、、
あきらも、つくしにグラスを渡す時に、わざとつくしの指を撫でて、つくしを赤らめさせてるし、、、
司は、何も仕掛けて来ないけど、、、
ってか棒立ちのまま、熱い眼差しが、つくしに釘付けになっているし、、、
ハア、これじゃ、結婚したって、子供を産ませたって、ちっとも安心できないじゃん、、、
アリンコ退治に益々手を焼きそう、、、
見る目のある男なら、つくしの素晴らしさに気が付いて、虜になってしまうんだ、、、
男ばかりか、女もつくしの取り合いを始めるし、、
あんたら、分かってんの!?
つくしは俺のものだよ!
あ~あ! また自称つくしのナイトを買って出るだろう輩が、わらわら湧いてきた、、
俺の、俺だけのつくしなのにィ、、、
ピキッ!!
アレレ!?
俺の堪忍袋の緒が切れちゃった???
俺は、有無を言わさず、一度つくしを休ませると、つくしを抱き上げて邸の奥の部屋へ、、、
「〃〃〃る、類~〃〃〃」
そんな可愛いい顔は、他の奴らに見せちゃダメだよ、、、
他の奴ら、特に遠慮を知らないF3が、絶対に来られないところは、、、
そう、あそこ以外ないな!
今やその部屋の鍵を持つのは、俺だけだし、、、
「類? ここは、、、??」
つくしを後ろから抱き締め、つくしの首にキスを落としながら、、、
奥の壁に掛かったあの絵を二人で見る、、、
「つくしは初めて見る絵でしょ?」
「この部屋に入ったのも初めてだよ♪」
「うん、この部屋の鍵は俺だけが持っているんだよ、、、」
「ねぇ、この人、私にそっくり!
ドレスもこのネックレスも!?」
「この少女は、つくし、つくし本人がモデルなんだよ、、、」
「えっ?
でも、これって昔描かれた絵でしょ???」
満月の月明かりの中、絵の中のネックレスとつくしの首のネックレスが反応するかのように、互いに光を放ち、、、
、、、絵の中の少女から光を放つたくさんの蝶が飛び出して、、、
、、、絵の少女が手を振った!?
キラキラ光の蝶が、俺達を囲むように舞始め、、、
目映い光に目が眩み、つくしをギュッと抱き締めたまま思わず瞼を閉じ、、
目を開けると、、、
そこは、、、