愛は惜しみ無く奪い与える58
桜子「いらっしゃいませ、美作さん♪」
あきら「桜子さん、突然、お邪魔します、、、」
桜子「あら、つくしのお知り合いでしたら、桜子でよろしいですわ♪」
優雅にお茶をサーブして、、、
桜子「美作さんは、コーヒーより紅茶ですわよね♪」
あきら「初対面なのに、よくご存知で!?」
あきらの地位、財力、容姿を狙ってまとわりつく輩に辟易しているあきら、、、
思わず、不機嫌になってしまったあきらを、明るく笑い飛ばす桜子、、、
桜子「あら、つくしから聞いていましたので、お紅茶にいたしましたけど、コーヒーの方が宜しかったかしら?
ただし、今の私が淹れると、嫌味なほど苦味だけのコーヒーになると思いますけど!?」
今の自分が、嫌味な態度だったことを、見事な返しで言われたあきら、、、
あきら「あっ、失礼いたしました!
私の態度は、傲慢でした!」
桜子「あら、謝罪は結構ですわ♪
確かに、地位、財力、容姿に優れた方ですもの、今まで色々嫌な目に会われたんでしょうね、、、
でも、私に関してはご安心を!
私、婚約者がおりますから、、、
多分、美作さんもご存知ではないかしら?
フランスのアルベールですわ♪」
あきら「あの香水の会社の?」
桜子「ええ、美作商事が日本での販売を担おうとしたアルベールです。
その節はごめんなさいね、、、
つくしとの縁で、花沢で扱って頂くことになっておりましたのよ♪」
あきら、撃沈!
あきら「アルベールさんの御曹司の婚約者でしたか!
大変失礼してしまいました!」
《アルベール相手では、美作など問題外だな!
鼻にも引っ掛からないのは、俺の方だったか!
俺擬きと桜子さん擬きのご先祖様達は、結婚しているらしいが、俺達は違うらしいな!
ひと安心だ、、、よな?》
何故か、あきらの心に北風がピュー、、、
桜子「で、お話を伺いましょうか?」
類とつくしのタイムトラベル、そこで二人が出会ったあきら擬きと桜子擬き、更に、司と司擬きの肖像画など、、、
あきらの話を遮ること無く、聞いていた桜子、、、
あきらの話が終わるや立ち上がり、手招きして部屋を出て行きます、、、
あきらが付いて行くと、図書館と間違うほどの蔵書を納めた書斎で、、、
蔵書の中を進み、奥の壁の本棚をスイッチで動かすと、隠し部屋が現れました、、、
桜子「こちらが、美作さんがご覧になりたい肖像画ですわ♪」
そこには、桜子擬きとあきら擬きが仲良く描かれていた、、、
桜子「『この絵の秘密を解く者、遠き旅路に出るであろう』
これが口伝の言い伝えですわ♪
そして、これが先祖代々の指輪、、
ケースから出すのは、控えますわ!
この指輪は、絵の秘密を解く者のみが、身に付ける資格を持つと言い伝えられていますので、、、」
あきら「! !
絵の二人の指輪と瓜二つだな!
しかも、美作家にこれと対のネックレスがあるぞ!」
桜子「絵の夫人が身に付けているネックレスと同じような物かしら?
だとすれば、これらを身に付ければ、過去へ!?」