愛は惜しみ無く奪い与える43
鈴の音に導かれ、肖像画の前に立つと、、、
つくし「類! また変わってる!?」
カウチの横にミニテーブルが描かれていて、その上には鈴が!
つくし「類、このミニテーブルを見て♪
封書も描かれているわ♪」
類「ふ~ん、と言うことは、、、
何処かにある筈なんだけど、、、
封書に矢印↙が小さく描かれてるな、、、」
矢印の方向の絵の額縁を調べれば、以前の額縁と違い、組み木造りになっている、、、
類「良く見れば、以前と違って、額縁全体が細かい組み木造りになっている、、、
木のパズルと同じみたいだな?
矢印の方向のこの部分があやしいな!」
しばらく組み木に取り組んでいた類、その手に精巧な造りの美しいペンダントが、、、
類からペンダントを恭しく受け取ったつくし、、、
つくし「うわあ、綺麗♪
あっ! 類、このペンダントは中に何かを入れられる造りになっているみたい!?」
パチッとペンダントを開くと、中には紙片が、、、
『あの時の君達へ
お願いする、助けてくれ』
つくし「類? これって!?」
類「うん、あの時代の俺達が、助けを求めているようだね!?
俺達だけが、理解し、見つけられる所にメッセージを隠して、、、」
つくし「類! 見て!
肖像画の類が、このペンダントを着けているわ!」
類「じゃ、俺が、このペンダントを、つくしは、例のネックレスを着けよう♪
ただし、今回は、危険かもしれないから、ちょっとした準備をしてからだよ♪
それに、こちらを留守にしても良いように、手筈を調えないとね♪」
つくし「類が、あちらの世界に何回か行くと言っていたけど、本当に行くことになっちゃったわね!?」
類「あちらの俺達が助けを求めてるんだ、行かなきゃね♪
つくしは、あっちで無理しちゃダメだよ!?
お腹に俺達の娘が居るんだからね♪」
つくし「はい、気を付けます、、、
今回は、どれだけ留守になるのか分からないから、駿を置いて行くのが心配だわ、、、」
類「うん、駿のことは特に準備万端にしないとね♪
明日中に出発するよ♪」
服装も当時のように、また、当時の金貨も用意し、、、
事情を知る幸枝に、駿の世話を頼み、すべて準備万端に、、、
翌日の晩、二人は肖像画の前に立ち、再び時の旅人となった、、、