愛は惜しみ無く奪い与える48
モランボン「いやあ、眼福、眼福!
では、別室にて、先程お話しした取って置きのワインをご賞味頂きましょう♪
こちらへどうぞ♪」
ショーン医師「あつかましいお願いですが、私にも、是非そのワインを一口振る舞って頂ければ幸いです♪
私も、ワインには目が無くて、、、」
《ふん、余計者が!
だが、この医師の弱みを握る良いチャンスだな!
もう一人、女を用意すれば済むこと、、、》
モランボン「おい、ショーン先生にもご一緒して頂くから、先生の分の(女)用意をな!」
ショーン医師「いえいえ、私の為の用意など、お構い無く♪
ほんの一口頂ければ、すぐ失礼いたしますので、、、」
モランボン「まあ、そう仰らずに、これを機会にお近付きに、、、」
ワイン係り「いらっしゃいませ、お待ちしておりました!
デキャンタに移しまして、ちょうど飲み頃になっております♪」
ワイン係りが、グラスにワインを注ぎます、、、
テーブルの上のグラスは、一つだけ離れて置かれていた、、、
申し合わせたように、サクラーナ子爵夫人が、ワインの瓶を手に、モランボン公爵に、このワインについて質問し、、、
ショーン医師が、デキャンタがいたく気に入ったようで、ワイン係りを掴まえて、かなり込み入った質問をした、、、
その隙に、アッキーラ子爵が、グラスを入れ替えて、、、
アッキーラ子爵「それでは、モランボン公爵に敬意を表して♪」
類「ちょっと待って!
妻は妊娠中なので、残念ですが、ご遠慮いたします、、、」
つくし「あら、それでは、グラスに注いだワインが可哀想♪
そうだわ!
折角ですもの、こんな素晴らしいワインを飲むチャンスを逃してはいけないわ!
私のグラスは、ワイン係りの貴方に進呈します♪
一緒に乾杯してくださいね♪
公爵様、宜しいでしょ!?」
モランボン公爵「奥方に免じて、折角だから、お前も頂きなさい!
但し、一杯飲んだら直ぐ下がりなさい!」
《仕方がない、rui侯爵夫人は、諦めざるを得ないか、、、
妊娠しているとは、弄んで流産でもされては、大事になってしまう!
ワイン係りは、直ぐ下がらせれば、自分で何とかするだろう、、、》
アッキーラ子爵「では、改めて、モランボン公爵に!」
モランボン公爵「うん?
皆様、何故お飲みにならない!?
まさか、毒が入っているとお疑いか!?
ならば、私が先に飲んでしんぜよう♪」
アッキーラ子爵「お前も、飲むんだ!」
ワイン係りは、諦めて飲み干します、、、
モランボン公爵「どうしましたかな?
まだお飲みにならないとは!?」
サクラーナ子爵夫人「もう少し、ワインの色と香りを楽しませてくださいな♪
本当に素晴らしいワイン、なのに媚薬を入れてしまうなんて、ワイン愛好家として失格ですわ♪」
モランボン公爵「な、何を、、、
!?」
類「そろそろじゃない?」
サクラーナ子爵夫人が頷くと、部屋を飛び出し、広間へ、、、
サクラーナ子爵夫人「大変!
rui侯爵夫人が、、、
モランボン公爵が仕込んだ毒薬入りのワインを飲まされて!
夫人は妊娠中なのに!!」
広間の客が、別室に駆け付けると、、、
アッキーラ子爵「そのワイングラスを調べてくれ!
薬が仕込まれている筈だ!」
《俺とruiとショーン医師のグラスには、俺達が持参した毒薬を足したから、モランボン公爵は殺人の罪で一貫の終わりだな♪》
モランボン公爵「ま、待て、待ってくれ!」
サクラーナ子爵夫人「今更ですわよ、モランボン公爵!
怪しげな薬を使って人を陥れ、その弱みを握り、ご自分の利益のために利用していたことは、調べがついておりますのよ!
媚薬を盛られた男性は、貴方が用意した女と淫行した弱みを握られ、貴方の意のままに操られていますね!
一方、媚薬を盛られた女性は、貴方に散々凌辱され、何人も自殺している始末!
しかも、今晩は、rui侯爵夫人と私に媚薬を盛り、弄ぼうとした!
それだけでも、重すぎる罪状なのに、
今回は殺人を企むなんて!
rui侯爵夫人への貴方の執着は、周知の事実!
その執着のせいで、rui侯爵に手を掛けようだなんて!
妊娠しているrui侯爵夫人に、なにも無ければ良いのですが、、、」
「その通り!
貴方の悪事は、既に明らかにされている!」
モランボン公爵「だ、誰だ!?」
世継ぎの王子「私だ!
私を蔑ろにしているあまり、私のことを忘れてしまったか!?」
一同、膝まづき、、、
「ご機嫌よろしゅう、世継ぎの王子ツカーサル様!」
世継ぎの王子「苦しゅうない、立たれよ♪
rui侯爵、奥方を早く介抱してあげなさい!
私の信用できる部下に邸まで送らせよう♪」
類「ありがとう存じます!
ショーン医師に付き添いをお願いして宜しいでしょうか?」
世継ぎの王子「私からも、ショーン医師にお願いしようと思っていたところだ♪
ショーン先生、お願いします♪」
ショーン医師「世継ぎの王子様直々のご用命、しかと拝命いたします、、、」
類「では、失礼いたします♪
さっ、抱き上げるよ、奥方♪」
つくし「る、類♪〃〃〃」
類とつくしが、ショーン医師と共に、護衛に守られて帰宅します、、、
アッキーラ子爵「おや!?
モランボン公爵、どうなされたかな?」
サクラーナ子爵夫人「先程、私がすり替えた媚薬入りのワインを、お飲みになったから、媚薬の効き目が現れてきたのね!?」
世継ぎの王子「そちらの召し使いもか?」
サクラーナ子爵夫人「ええ、ワインの勉強になるからと、rui侯爵夫人のワインを飲ませてあげたんですの♪」
世継ぎの王子「二人とも、出すものを出さねば、ズボンの前が破れそうだな♪」
アッキーラ子爵「どうやら、いつものように、女を用意してあるようですから、役に立ってもらいましょうか!?」
世継ぎの王子「相変わらず優しいの、アッキーラ子爵♪」
アッキーラ子爵「モランボン公爵達を、用意してあるだろう部屋へ!」
世継ぎの王子「モランボン公爵、ご自分の用意した女にしっかり働いてもらいなさい♪
落ち着いてから、処分を言い渡す!
rui侯爵夫人達を陥れようとしたこと、
軽い罪ではないぞ!
ご健康が優れぬ陛下も、あの夫人のことは、常に気にかけていらっしゃる、お気に入りだからな!」
アッキーラ子爵「公爵も、rui侯爵夫人や我が妻を狙うとは、ヤキが回ったな!
例え、万が一、陛下や世継ぎの王子が許しても、rui侯爵が許さないだろうに!
勿論、私も世界の果てまで追いかけて、命を頂くところですが、、、」
世継ぎの王子「今度ばかりは、カエーデシアン皇后にすがっても無駄だぞ!
rui侯爵夫人は、皇后の一のお気に入りでもあるからな♪
愛人が浮気し放題で、しかも、今回は、自分のお気に入りのrui侯爵夫人を、手込めにするところだったなんて!
いくら、皇后でも、庇ってはくれないぞ!」
アッキーラ子爵「モランボン公爵は、限界のようです、、、
ここで出されては、掃除する召し使いが気の毒ですな!
早く、女の所へお連れして、目を離すな!」
世継ぎの王子「ついでに、この媚薬の効き目を調べたいから、何回放ったら落ち着くのか、数えてこい♪」
その場の一同、大笑い、、、
その笑いに紛れさせて、小さな声で、、、
世継ぎの王子「そうそう、我等の仲間ケビン公爵の娘マリー嬢は、無事、ジロー子爵が救出したぞ♪
紅孔雀の策は、いつもながら素晴らしいな♪」
サクラーナ子爵夫人「世継ぎの王子様も素晴らしいですわ♪
計ったようなタイミングで、ここにいらっしゃるとは、、、」
世継ぎの王子「相変わらずの美しさに、男を掌で転がす達者な口、、、
アッキーラ子爵も骨抜きになる筈だ♪」