愛は惜しみ無く奪い与える50
ショーン医師に付き添われ、rui侯爵邸に戻った二人、、、
メイド頭サリナ「お帰りなさいませ♪」
類「奥方が具合が悪いので、ショーン医師が付き添ってくださった!
今夜はお泊まり頂くから、部屋の用意を!
あと、お茶を頼む!」
メイド頭「畏まりました、、、
奥様は如何なさいました?」
ショーン医師「妊娠中の奥方にモランボン公爵が仇を為したんだ!
私が付き添うので、お湯とタオルをお願いしたい!」
メイド頭「は、はい! ただいま!」
類「奥方、直ぐベッドに運ぶよ♪」
つくし「・・・・・」
類「そのぐったりした様子、なんかそそられる♪」
つくし「類ったら♪〃〃〃」
ショーン医師「顔色が良過ぎます!
メイドが戻ってくる前に、化粧で青白くしますよ!」
つくし「お医者様が、お化粧道具を持ってらっしゃるとは!?」
ショーン医師「フフ、変装道具です、、、
私、手先が器用なもので、変装して忍び込み盗むのが得意なのですよ♪
さあ、できた!
苦しそうに寝ていてください!」
やがて、アッキーラ子爵夫人サクラーナが駆け付けてきて、パニエの下に隠した袋を、ショーン医師に渡します、、、
サクラーナ「主人から、預かって参りました動物の血液です、、、」
ショーン医師「ありがとうございます!
メイドからタオルを受け取って、付き添いをお願いします!」
メイド頭サリナ「rui侯爵様、お湯とタオルをお持ちしました!」
類「お湯はそこに!
タオルは、アッキーラ子爵夫人に!
お前は、下がって良い!」
《私も奥様に付き添いたかったのに、、、
奥様が妊娠なさっていたなんて、気が付かなかったなんて!
はあ、メイド失格です!
妊娠中なのに、昼も夜もお出掛けなさって、無理をなさるなんて!》
そうこうしていると、サクラーナ子爵夫人が、部屋から飛び出してきて、叫びます、、、
サクラーナ子爵夫人「ああっ! なんてこと!
侯爵夫人が! 侯爵夫人が、流産の憂き目に!
モランボン公爵め!
許しません!
例え、陛下や皇后様がお許しになっても、私は許しません!
侯爵夫人に代わり、モランボン公爵の責任をとことん追求します!」
ショーン医師が、血に染まったタオルを部屋から持ち出し、肩を落として首を振ります、、、
屋敷中が悲哀に染まり、静まり返ります、、、
そこへ、アッキーラ子爵も駆け付けてきて、悲嘆の表情を浮かべます、、、
アッキーラ子爵「ショーン先生、協力ありがとうございます。
今日はもうお休みください。」
ショーン医師「では、後はお任せしますよ♪」
タオルを始末し、控えていたメイド頭サリナに、、、
アッキーラ子爵「私達が付き添うので、ショーン先生には、お休み頂く。
お部屋にご案内してさしあげろ。」
メイド頭サリナ「はい、それでは、ショーン先生、こちらへどうぞ、、、」
ショーン医師「奥方は若いから、また直ぐ授かるだろうて、、、
気落するあまり、邸を暗くするでないぞ!?」
メイド頭サリナ「そ、そうでございますね!
私共が気丈に振る舞わねば、、、」
アッキーラ子爵「そろそろrui達が、秘密の通路を使って帰って来るぞ!
君達は、姿を消さないと不味い事になる!」
類「心配ないよ!?
直ぐ退散するから♪
侯爵夫婦に手紙を書いたので、渡して頂けるかな?」
サクラーナ子爵夫人「拝見すればする程、本当にソックリですのね♪
貴方達が、何処からいらして何処へお帰りになるのか、興味は尽きませんが、詮索無用の指令が出ておりますので、お尋ね致しませんわ♪
ただ、お礼だけは言わせてくださいな♪
貴方達の協力で、紅孔雀の正体がバレずに、仲間を救出出来ました!
しかも、貴方達の策で、あのモランボン公爵を葬る事まで出来ました!
何度お礼を申し上げても足りませんが、本当にありがとうございました!」
アッキーラ子爵「全く本物のrui侯爵も顔負けの策士で、畏れ入ったよ!
ありがとよ♪」
類「いや、俺達も得難い経験が出来て、楽しかったよ♪
じゃ、失礼するとしよう♪
つくし、行くよ♪」
つくし「では、皆さん、お元気で♪
さようなら♪」
サクラーナ子爵夫人「いいえ、また是非お会いしたいので、さようならは申しません!
いつか、また!」
つくし「いつか、また!」
類「俺達は、隣の部屋に行くけど、しばらくは入って来ないでよ!?
じゃ、また♪」
アッキーラ子爵「ああ、またな♪」
類とつくしは、再び絵の前に立ち、時の旅人に、、、
アッキーラ子爵夫婦が、しばらくして部屋に入ると、二人の影も形も無く、、、
サクラーナ子爵夫人「はあ、どうやって姿を消したのか!?
何とも不思議なお二人でしたわ♪」
アッキーラ子爵「ああ、差詰め、我等の非常事態に神がお使わしになった天の助け、、、」
サクラーナ子爵夫人「また、お会いしたいですわ♪
次にお会いしたら、ゆっくりお話ししたいです、、、」
アッキーラ子爵「ああ、会えるさ、きっと♪」