愛は惜しみ無く奪い与える12
「さっ、ミィたん、シャンプーするからね♪
つくしも、早く来て手伝って!」
「・・・ねぇ、いまさらだけど、なんでミィたん?
いつミィたんって決まったの?」
「あんたが、ミィたんって呼んでたじゃん。
俺、可愛い妻の希望は どんな事をしても叶えるよ♪
だから、願い事する時は、気を付けてよね♪」
〃〃〃〃〃〃
さっきから、皆で私を可愛い可愛いって褒めてばかり、、、目がおかしい?
ううん、目ばかりか思考回路もおかしいよ、この邸の人達!
ミィたんのお世話が一段落したら、ソッコー逃げ出さなくちゃ!
・・・ふふん、全部聞こえているよ。
逃がさないよ、つくし♪
ミィたんは人質、いや、猫質か、、
あれから、父さん母さんも、ソッコー動いているだろうし、、
あとは、餌付けに、夜のレッスン、、
夫の愛を身体で覚えさせてあげないとね!
悪魔のしっぽが、期待にうち震えながらパタンパタン、、、
「わぁ、ふかふか、真っ白~♪
きゃわいいでしゅねぇ、ミィたん♪
ほんと! 美人さんですね~♪」
お気楽なつくしちゃん、、、
クンクン、フンフン、子猫のお腹にモフモフ、、、
背後のエロエロ悪魔王子(←どんどん形容が酷くなってるのに、相変わらずの王子様~)のことなど、意識の外で、ご満悦、、、
ほんとに、つくしちゃんの危機回避能力ときたら、、、
「ミィたん、お腹が空きましたねぇ~」
と、ジャストタイミングで、、
「類様、牧野様、猫ちゃんの御飯をお持ちしました。
入ってもよろしいでしょうか?
まもなく獣医も到着いたします。
クローゼットに、つくし様のお着替えもご用意いたしました。
お気に召すとよろしいのですが、、」
「つくし、着替えて♪
やっぱり、濡れちゃったねっ♪」
(やっぱりじゃないでしょ! 策士の類君!? うっかりの振りして、わざとつくしちゃんにシャワーをかけたのは、君でしょ!? )
えっ、着替え?
う~ん、シャンプーに夢中で、気が付かないうちに結構濡れちゃった!
きぁ~、冷たいと思ったら、下着まで濡らしちゃったみたい、、、
早く着替えなくちゃ!
体が冷えてきちゃった!
下着を乾かす乾燥機は何処にあるのかなぁ?
幸枝さんにこっそり聞いてみなくちゃ、、、
「ひゃあ、は、花沢る、類!? 、、、
何故にあなたまで 一緒についてくるの~?」
「俺も着替えるし、、、
妻を着替えさせるのも、夫の仕事でしょ♪
ここのクローゼット、つくしの洋服が増えるから、リフォームしないとね♪
ほら、早く着替えしないと、ミィたんの医者が来ちゃうよ。」
と、さっさと洋服を脱ぎ捨てる類に、思わずぎゅっと目を閉じ、背中を向けるつくし、、、