ヴァレンタインに7
司「今、何て言いやがった!?」
桜子「はい、先輩に別れの手紙を書いてくださいと申し上げました、、、」
司「てめえ!」
桜子「ふ~ん、すぐ手が出てこないとは、少しは成長なさったんですね!?」
司「・・・・・」
桜子「もう、分かっていらっしゃるんでしょ!?
先輩と花沢さんのこと、、、
お二人が、惹かれ合っているって、、、
以前から、お二人の間には誰も立ち入ることが出来ない空気感がありました、、、
そこに割って入ったのが、道明寺さんでしたね、、、
道明寺さんがNYにいらして、傲慢にも音信不通にして先輩を放ってしまい、先輩は、本当に苦しんでいらっしゃいました、、、
そんな先輩を側に居て支えたのが花沢さんです、、、
お二人が、互いに惹かれ合ってしまうのは無理の無いことでした、、、
でも、道明寺さん、ご自分が先輩を裏切ったからと言って、呉々も誤解しないでください!
お二人とも、道明寺さんを裏切りたくないと、決して互いの想いを伝える事は一切ありませんでした!
そして、遂に花沢さんが先輩への想いを抑え切れなくなったんでしょう、フランスに行ってしまったんです!
花沢さんが、フランスに行ってしまった後の先輩は、まるで抜け殻のようです、、、
そして、伝え聞く花沢さんの様子も、体を傷みつけるように、ガムシャラに仕事と学業にのめり込んでいて、ご両親も大変心配なさっていらしゃるようです、、、
道明寺さんが、先輩への愛を忘れていなければ、いくら滋さんが誘惑しようと、先輩を裏切る事は無かったでしょう!?
だとしたら、道明寺さんが、今しなくてはいけないこと、今出来ること、、、
それは、一体なんでしょうか?」
司「・・・・・」
ガッシャーン!
司「くそっ、くそっ!
俺に出来ること、、、
くそっ!
こんな物に当たる事じゃねえ!
自分で自分が情けねえ!
自分で蒔いた種は刈り取らなきゃな!
だが、覚えておいてくれ!
俺は本当に牧野を愛してた、、、
今でも愛してるし、これからも愛し続ける、、、」
そして、覚悟を決めた司は、手紙を桜子に手渡した、、、
司「これを渡して、牧野を幸せにしてやってくれ、頼む!」
桜子「いいえ、先輩を幸せに出来るのは、私達ではありません!
先輩を幸せに出来るのは、花沢さんだけです!
お願いするのなら、花沢さんにお願いしてください!」
司「お前、最後までキツいこと言うじゃねえか!?」
桜子「私が、道明寺さんに与えたいと考えている罰からしてみれば、これくらいは小さな棘ですわ♪
では、急ぎますので、これで失礼いたします、、、
あっ、滋さんですが、行動は卑怯でしたが、道明寺さんを愛する気持ちは本物ですよ、、、
道明寺さんも、滋さんを憎からず思ってらしたからの出来事でしょう?
ご自分の胸に良く聞いてみてください♪」
司《ふっ、小さな棘か、、、
だが一生取れねえ棘だよ、、、》
桜子は帰宅し、滋に会います、、、