愛は惜しみ無く奪い与える5
「ねぇ、どうするのって聞いてるんだけど?」
「!? ・・・ど、どうって? つ、連れて帰ります、、、
迷子で、弱ってるみたいなので、お世話してあげないと♪
ねっ、もう大丈夫だからね~、ミィたん♪(←もう、ミィたんに決まり???)
ママが ちゃ~んと面倒見ますからねぇ~(←いつ産んだのかしら?)」
と、子猫に微笑みかける少女の頬に浮かぶえくぼ、、、
ふ~ん、あんたがママなら、パパは俺だね♪
「飼うの?」
「飼い主を探して、見つからなければ、家の子に、、、ねっ、ミィたん♪」
撫でられて ゴロゴロ喉を鳴らす子猫、、、
「・・・ふ~ん。じゃ、来てっ!」
「あっ、ちょっと、ちょっ!」
来てって、いきなり何処へ??
子猫を落とさないように意識を集中させているため、一方の手をしっかり繋がれたことに疑問を持つ間もなく、引きずられて行く少女、、、
それでも、しばらくすると、、、
ビー玉の王子様も、知らない人に付いていってはいけないって小さい頃から教わっているよね?
私も、知らない人(?)に付いていってはいけないんですけど!?
ってか、これは、誘拐? 拐かし?
叫んだらいいの?
いや、叫ぶべき?
叫んでもいい?
「叫んだら、キスするよ?」
「〃〃〃○●△▲!?〃〃〃」
赤くなって、金魚みたいに口をパクパクする少女、、、
「それから、俺は類、花沢類。この高校の3年生。
で、あんたの名前は?
中学生にも見えるけど高校の制服着ているから、英徳高校なんだろうけど、見た事ないし、新入生?」
少女は、単語しか話さないという噂の王子様の口から放たれる、あり得ない長い会話に、フリーズしてしまい、、、、