目で足し2
司「おーい、遊びに来てやったぞー♪」
「「よっ♪」」
類「何しに来たの?」
総二郎「相変わらず、無愛想だな、類は!」
あきら「やっとフランスから帰ってきたくせに、音沙汰無しで、、、
心配して来てみれば、何しに来たのとは、いくら優しいお兄さんでも、臍が曲がるぞ♪」
類「元々、曲がってるんだから心配ないよ♪」
総二郎「こんな根性悪に、お兄さんは育てた覚えがないぞ♪」
と、二人が泣き真似をする、、、
類「俺には、兄さんも弟もいないんだけど!?」
すると、類の背中に隠れていたつくしが、ひょっこり顔を出し、可愛く挨拶する、、、
つくし「こ、こんにちは〃〃〃」
「「お、おう、こんにちは!?」」
司「誰だ、お前!?」
困った顔で、ほんのり頬を染めて恥ずかしげに類を見上げるつくし、、、
《あんた、その上目使い、俺だけの時に限定してくれないと、、、》
ちらりと確認すると、招かれざる友人達は、赤くなって固まっている、、、
《あ~あ、これだから会わせたく無かったんだ!
まぁた、余計なもんを釣り上げちゃったね~》
類「牧野つくしだよ♪
つくし、続きは隣の俺の部屋に
行ってすればいいよ♪」
《こいつらの側にいたら、チョッカイ出されるから、早く引き離さないと、、》
総二郎「おっと! つくしちゃん、つくしちゃんは何をしていたのかな~?」
広げていた本とレコーダーを片付けながら、戸惑いながらも律儀に答えるつくし、、、
つくし「え~と、本の読み聞かせの録音です、、、」
あきら「なんで、そんな事してんの?」
つくし「目の見えない人や小さなお子さんに楽しんで頂きたくて、、、
類が編集してくれるんで、助かってるんです♪」
総二郎「それで忙しくて、俺達に連絡も寄越さなかったと、、、」
総二郎とあきらは、善からぬ事を思い付いたようで、阿吽の呼吸で顔を見合わせて、ニンマリ、、、
あきら「つくしちゃん、俺達も手伝うから、ここで一緒に読み聞かせしようよ♪」
つくし「えっ! でも、、、」
総二郎「いいから、いいから、、、」
あきら「そっ! 俺達も人の役に立つ事をしたいし、なっ、司!?」
司「・・・お、おう♪〃〃〃」
《あ~、司ったら、一目惚れ!? マジかぁ!?》
総二郎「類、効果音は入れてんの?」
類「当然でしょ♪」
つくし「類って、凄いの♪」
《ベッドで凄いの、とかじゃねえな!》
あきら「類の何処が?」
《類のあそこがなんて言わねえよな!》
《皆、とんでも無い妄想してるけど、残念ながらまだだよ、、、
でも、こいつら邪魔者が現れたからには、つくしに手加減するのはもう止めだな♪》
つくし「あのね、色々な音を創る事が出来るの!
うふふ、素敵でしょ♪」
《こんな風に、可愛いい子に手放しで誉められるって、羨ましいなぁ》
《類の奴、鼻の下を伸ばしやがって!》
《俺も、こんなに素直で可愛いい子に、お世辞じゃなく誉められたいぞ!》
総二郎が、読み聞かせの本を開いて、、、
総二郎「ふーん、ブレーメンの音楽隊か!」
あきら「俺、鶏の鳴き声、得意だぜ♪
クワックワッコケー!」
総二郎「俺、ロバの鳴き声できるぞ♪
ヒーホー!
司は、犬をやれよ♪」
司「・・・・・」
天下のF3が、鶏やロバの鳴きマネをするなんて超レアなのに、つくしちゃんは、類の凄いところの自慢で大忙し、、、
つくし「ほら! 見て♪
類が創ったの♪
これ、鶏の羽ばたきなの♪」
団扇を微妙な加減で二枚重ねた物を、小刻みに振る、、、
バタバタバタッ、、、
一同「おお♪」
つくし「あとね、ロバの足音はこれ♪」
お椀を2つ、テーブルの上で伏せて、カッポカッポと音をたてます、、、
目を爛々と輝かせ、俄然、やる気が漲ったF3!
これが雨の音だと言って、余っていた団扇に糸で小豆を幾つかぶら下げる、、、
でんでん太鼓のように動かすと、パラパラと雨の音が、、、
波はこれ♪と 竹籠に和紙を貼り、小豆を入れて傾ける、、、
ザザー、ザザーと波の音、、、
その日は、効果音の収録で楽しく大騒ぎ♪
「今後は、効果音は、俺達に任せろよ♪」
「そうだぞ! 勝手に録音するなよ♪」
「今度は、花咲爺さんやろうぜ♪」
「おっ、良いねぇ♪
花が咲く音って、難問じゃね!?
来週までに、音を探して来ようぜ♪」
「よし! 来週までの宿題だな!」
もう、読み聞かせの録音の音頭取りまで始める始末、、、
夕食まで食べて、泊まる勢いのF3を、類が氷の刃で追い払う、、、
「あんだよ! 追い払うのかよ!」
「冷たいな!」
「邪魔者扱いすんなよ~」
「もうこれ以上、つくしと俺の時間の邪魔しないで!」
「独り占めは、ずるいんじゃね!?」
「何言ってんの!?
つくしは、俺だけのものだよ♪
つくしを好きになるのは、良く分かるよ、フランスでも、凄くモテてたし、、、
でも、悪いけど、つくしは俺のものって決まってんの♪
俺達婚約してるし、、、」
「こ、婚約~!?」
「ふ、ふん! 婚約しているからと言っても、必ずしも結婚出来るとは限らないぜ、、、」
「おあいにくさま、両親も、学生結婚しちゃいなさいって言ってるし、、、
ねっ♪ つくし♪」
ちょうど、自ら食後の紅茶をワゴンで運んできたつくしに話しかける類、、、