目で足し11
つくしウサギだけを、大切に腕に抱えて
シャルル・ド・ゴール空港に降り立った類、、、
運転手「お帰りなさいませ、類様♪」
類「つくしは?」
《はあ、第一声がこれですか!》
ギロッと睨まれ、慌てて返事を返します、、、
運転手「つくし様は、高遠様の邸にいらっしゃいます、、、」
類「高遠邸に行って♪」
運転手「あのう、類様、ご両親が花沢邸でお待ちですが、、、」
類「高遠邸!」
運転手「は、はい!」
《はあ、凄い迫力だ~
これが、噂のつくし様限定に現れる行動力ですか!》
類は、携帯を操作して、、、
類「あ、お母様?
今、空港に着きました。
これから花枝と高遠邸に向かうので、お母様達は手土産用意してから来て!
じゃね♪」
《うわあ! 文章での会話!?》
類「つくしの好きなマカロンを買うから、ピエール・○ルメに寄って♪」
《ああ、私にも文章です!
皆に自慢してしまいますよ~♪》
運転手「はい、では待たずに済むよう予約致しましょう♪」
高遠邸に着くと、、、
「るい~~♪」
笑顔のつくしが、類の腕の中に飛び込んで来ます♪
類「ただいま、つくし♪
チュッ♪ チュッ♪ チュッ♪
淋しかった?」
つくし「類♪ 〃〃〃
峻叔父様、儷叔母様が、お待ちよ♪」
類の手を繋ぎ、グイグイ引っ張って行こうとするつくし、、、
類「待って、つくし♪」
と、つくしの手から、一年前に左手の薬指に嵌めた指輪を引き抜く、、、
つくし「えっ! どうして!?
類が、デザインしてくれたのに、、、」
今にも泣き出しそうなつくし、、、
類「二年目の指輪はこっち♪」
と、ポケットから指輪を出すと、つくしの薬指に嵌めます、、、
つくし「!???」
類「一年目の指輪は、最初にプレゼントしたベビーリングと一緒に、鎖に通して、、、」
つくしが着けていたベビーリングを通した鎖に、外した指輪を通し、つくしの首に着け直します、、、
類「結婚出来るまで、毎年指輪を贈るよ♪
外した指輪は、次々鎖に通してネックレスにするんだよ♪
指輪は、鎖に通して並べると、一続きの模様になるようにデザインしてあるから、毎年楽しみにしていてよ♪」
つくし「わあ、素敵♪〃〃〃
類、ありがとう♪
私、指輪を外された時、凄く悲しかったの、、、
類の気持ちが変わってしまったのかと、、、」
類「つくしは、おバカさんだね♪
俺の気持ちが変わる訳が無い!
会えない間に、つくしの気持ちが変わるんじゃないかと、心配していたのは、俺の方だよ!」
つくし「気持ちが変わるなんてこと、無いもん!」
類「じゃ、その変わらない気持ちって、どんな気持ちか教えて?
まさか、類なんて嫌いっていう気持ち?」
つくし「嫌いな訳無いでしょ!」
類「じゃあ、どんな気持ち?」
つくし「うっ、す、好きに決まってるでしょ!」
類「えっ? 好きって、誰を?」
つくし「もう! 好きなのは、類!
類が好き♪
好き、好き、大好き♪」
類「良くできました♪
チュッ♪ チュッ♪ チュッ♪」
望「峻、見たかい?
あれが、類マジックだよ♪」
峻「う~ん、自分の目で見ていなかったら、信じられないシーンだ!」
儷「我が子ながら、素晴らしいわ、ねっ、貴方♪」
峻「並み居るライバルを押し退けて、どうやってつくしちゃんをGETしたのか、不思議だったが、、、」
望「類マジックだよ♪
指輪のことも用意周到で、毎年次々出てくるとは、参った参った、、、
大人顔負けのマジシャン類君だね♪
これじゃあ、亜門も和也も出る幕がないなぁ、、、」
類とつくしの再会を窺っていた大人達は、感心しきり、、、
亜門「ちぇっ、これじゃあ、二人の間に割り込む隙が無いなぁ、、、
和也、俺達の出番は無いな、諦めろ!」
和也「類の奴、一年も会っていないのに、つくしちゃんを繋ぎ止めているとは、、、
どうやったんだろう?」
亜門「指輪ばかりか、あのウサギの縫いぐるみもだな♪
あのウサギの名前って、ルイなんだぜ!
毎日毎晩、ルイに話しかけて、ルイと一緒に寝ていれば、類のことを忘れる訳が無い!」
和也「策士類め!」