慟哭8
類「先生! 牧野は!」
ドクター「手術は、難しかったですが、成功です、、、
バイタルも安定していますし、目覚めるのを待つばかりです、、、
後遺症については、目覚めを待たないと、何とも、、、」
類「ありがとうございます」
病室で、、、
類「早く目覚めて、俺のお姫様♪
目を開けて、類って呼んで!?」
願いが叶ったのか、パチッと目が開き、大きな黒い瞳に、類自身が映っていた、、、
類「つくし! 目が覚めた?」
つくし「え~と、私、どうしたの?」
類「突然倒れて、緊急手術したんだよ、、、」
《記憶は? 記憶は大丈夫なのか?》
つくし「どうして、そんなに見つめるの?〃〃〃」
類「どうしてって、俺の奥様は可愛いいなって♪」
つくし「!!! 奥様って?」
類「手術の前に、入籍したの、覚えていない?」
つくし「?
あの私、牧野つくしですけど、どなたかと間違えていませんか?」
つくしの戸惑う瞳に嘘は無かった、、、
《しっかりしろ、類!
これも予想しなかった訳じゃない!
何が有ろうと、つくし、お前を離さないよ♪》
類「今、ドクターが来るから、診察してもらってから、ゆっくり話そう!?
心配無いよ!?
俺がずっと付いているから♪
あっ、俺、類、花沢類、
で、あんたは、今は花沢つくしだよ♪
とにかく、お帰り、俺の奥様♪
愛してるよ♪」
つくし「その言葉、聞いたことがあるわ、、、
それに、類、花沢類、、、
つっ!、、、」
類「無理するな!
ゆっくり思い出せば良いんだよ、、、
俺が手伝うよ♪
思い出せなければ、これから思い出せを作れば良い、なにしろ、これからの人生の方がずっと長いんだから、、、」
つくし「ありがとう、類♪
でも、類と何処で出会ったのかな?」
類「英徳で、つくしが高校二年生の時だよ、、、」
つくし「えっ! 私、英徳に通っていたの?」
ドクター「お話はその辺で、、、
花沢つくし様、目覚められて良かったですね、、、
ご主人が、それはそれは心配なさって、片時も離れず見守ってらしたんですよ♪
こんなに想われて、奥様はお幸せですね♪
では、診察します、、
今、聞こえてしまいましたが、記憶に少し問題があるようですね!?
そちらの専門医にも診察させましょう、、、」
類「先生! どうでしたか?」
ドクター「術後の画像検査も問題無いですし、身体的には心配なさる事は有りません、、、
しかし、やはり記憶に少し問題がありますね、、、
高校時代からの記憶が抜け落ちていらっしゃる、、、
高校時代に相当酷い目に遭われたようで、無意識に記憶を閉じ込めてしまったようです、、、
ただ、非常階段のことを仰ってましたが、ご主人に思い当たりがございますか?」
類「ふっ、その非常階段で初めて出会って、恋に落ちたんです♪
それだけを覚えていれば、あとはなんとかなりそうです♪」
ドクター「そうですか、ほっとしました、、、
『非常階段、ビー玉の瞳』と呟いてらしたので、ご主人の事でしょうとは推測したのですが、、、」
類「誰か他の男の記憶だけを覚えているとしたら、私がショックを受けるんではと?」
ドクター「ハハ、、いえいえ、そんな事があろうはずが、、、」
類「よろしければ、つくしを連れて帰りたいのですが、、、
邸の方が記憶の回復の助けになるはずなので、、、」
ドクター「そうですね、24時間ナースを付ければよろしいですよ、、
何かの時は、私に連絡くだされば、すぐ対応いたしますので、、、」
類「ありがとうございます。
今後もよろしくお願いいたします、、、」
ドクター「いえいえ、この度も多大なご寄付を頂戴いたしまして、反って恐縮でございます、、、」